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脳卒中、心筋梗塞予防のためのチェックリスト 動脈硬化のリスクとなる8つの要因

8項目で動脈硬化のリスクをチェック

8項目で動脈硬化のリスクをチェック

 血管の衰えは体に様々な不調をもたらし、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病を招く。東京都在住の50代男性Aさんは、今年6月に突然右目が見えなくなり病院に駆け込んだ。

「朝起きた時、突然右目に幕が下りたように視界が真っ暗になりました。数分で治まったのですが、念のために病院で調べたところ、頸動脈にプラーク(コレステロールなどのゴミ)が溜まっており、医者に動脈硬化が進んでいると告げられました」

 Aさんの症状は「一過性黒内障」といい、血栓が目の血管に詰まることで視野が一時的に欠ける疾患だ。頸動脈の動脈硬化が原因となり、蓄積されたプラークや血栓などが目の動脈に飛んで引き起こされるのだが、もっと重大な病に繋がりかねない。

「目の血管が詰まっているということは、いつ脳の血管が詰まって脳梗塞を起こしてもおかしくないと言われ、大きな不安を覚えました」(Aさん)

 健康寿命を延ばすには、動脈硬化を予防して「血管寿命」を延ばすことが重要だ。内科専門医の秋津壽男・秋津医院院長が指摘する。

「誰でも50歳を過ぎた頃から血管が弱まるリスクが高まります。加齢による衰えで、血管の弾力性が失われて硬くなる動脈硬化を招き、進行すると血管の詰まりや破裂が起こりやすくなります」

 動脈硬化が悪化すると、血管の内側の壁にコレステロールや脂肪が蓄積し、血管が狭くなって血流を阻害したり、蓄積したゴミが剥がれて流れた先の血管を詰まらせる。それにより、心臓の血管が詰まると「心筋梗塞」、血管が狭くなると「狭心症」、脳の血管が破れると「脳出血」、足の血流が悪くなると「閉塞性動脈硬化症」といった様々な症状となって現われる。

 前述のAさんのケースでは大事に至らなかったものの、命を落としかねない問題だ。早期に動脈硬化を発見することは可能なのだろうか。

「動脈硬化は初期症状が出にくい『サイレントディジーズ』(静かなる病気)といわれ、不調が現われた時には手遅れということもあります。早期発見するには、基本的には人間ドックや健診で血管の硬さや血管年齢を調べるしかありません。ただし、血管の老化のセルフチェックは可能です。動脈硬化のリスク要因は、『喫煙』『アルコール』『肥満』『糖尿』『コレステロール』『運動不足』『睡眠不足』『ストレス』『家系(遺伝)』の9つ。これらに関連した生活習慣から血管の衰えを把握できます」(秋津医師)

 詳しくは別掲表に挙げた。大病の予防において生活習慣の改善が重要なのだ。「これらのリストのうち、半分以上が該当すると動脈硬化予備群の可能性がある」と、秋津医師が続ける。

「生活習慣と遺伝が動脈硬化と密接な関わりを持ちます。毎日、大瓶のビール1本以上か1合以上の飲酒や喫煙、塩分過多や脂っこい食事を好む、慢性的な運動不足といった生活を送り、身内に心疾患の親戚などがいる人は要注意です。生活習慣を見直し、リスクをひとつずつ減らしていくのが望ましい。そうすることで血管寿命を延ばすことも可能です」

 不摂生の心当たりがあるなら日頃の生活を見直すことが肝要となる。

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