歳を取るほど多くの人が悩まされる節々の痛み。神経が圧迫されることで発症する脊柱管狭窄症などは根治が難しく、“一生の付き合い”になってしまうこともある。
どうやリハビリ整形外科院長の銅冶英雄医師が語る。
「腰部脊柱管狭窄症は、背骨の中にある神経の通り道(脊柱管)が変形して狭くなる病気で、足の痛みと痺れをはじめとした様々な症状を引き起こす厄介な病気です。
薬や注射は痛みを抑える効果がありますが、あくまで一時的な対症療法です。完治が難しく、様々な治療方法を求めて“狭窄症迷子”になっている人が多い。そのため予防する日常の動作を理解し、実践してほしい」(以下「 」は銅冶氏)
基本的には、腰に負担がかかるような動作をせず、正しい姿勢を保つことが求められるという。
「例えば、荷物を持ち上げる時に、膝を伸ばしたまま腰だけ曲げて行なうのは確実に腰椎に負担がかかります。正しい持ち上げ方は、腰を曲げずに膝を曲げて荷物を持つことです。持ち上げる時は足の力を使います」
靴や靴下を履く時の動作も注意したい。
「靴下を履く時は立ったまま片足を上げるなどは避け、座って履きましょう。安定するだけでなく、腰椎への負担が減ります。靴を履く時も同様で、立ったまま腰だけ曲げて履く動作は避けてほしい。できれば膝を曲げてしゃがんだ状態で履くことを心がけると、腰痛予防になると思います」
また、毎日の「洗顔」でも目に見えない負担が腰にかかるという。
「洗面所はぎっくり腰になることが多いと言われます。前屈みになる動作では基本的に支えがあるほうが腰にいいので、洗面台に両肘をついて洗顔するとよいでしょう」