スポーツ

ヤクルト・村上宗隆の凄さをデータで分析 今季の“進化”が凝縮された「17号本塁打」

村上宗隆(時事通信フォト)

村上宗隆の凄さを分析すると…(時事通信フォト)

 東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆が、令和初の三冠王に向けて驀進中だ。前人未到の5打席連続本塁打、史上最年少通算150本塁打、NPB記録にあと1と迫る14打席連続出塁……と、手の付けられない“乱れ打ち”状態に突入している。

 昨季も打率.278、39本塁打、112打点の好成績を残していた村上だが、今季、さらに輪をかける活躍ができている理由は何か。昨季と今季の打撃成績データの比較から分析した。

 まず注目したいのが「球種タイプ別の打撃成績」の比較だ。ストレート、シュート、ツーシームといった「直球系」に対する打率が、昨季の.278から今季は.401と顕著に上がっている(数字は8月22日終了時点)。直球系のボールに対してミスショットが少なくなり、的確に捉えていることが窺える。
 
 もう1つの興味深いデータが「本塁打の方向割合」の比較だ。昨季は半数以上の本塁打がライト方向だったが、今季はレフト、センター、ライトの全方向に均等に本塁打を放っている。村上のような強打者に対して速球でインコースを突くのは配球のセオリーだが、今季の村上はことごとく打ち返し、ライト方向だけでなくセンターやレフト方向にも広角に打ち分けている。

 その“進化”を象徴する打席が、6月10日、ソフトバンク戦で相手エース千賀滉大から放った17号本塁打だった。1-1で迎えた4回表、先頭打者として打席に入った村上は、カウント3-1から内角低め157キロのストレートをPayPayドームのレフトスタンドに弾き返したのだ。プロフェッショナル野球トレーナーの高島誠氏が解説する。

「技術的に特に優れているポイントは2つあります。1つ目は、バットのヘッドが返っていない点。相手バッテリーは、詰まってひっかけさせ、内野ゴロで打ち取ろうとしたのでしょうが、バットのヘッドが返っていなかったので、打球角度が上がってホームランになったのです。もちろん、バットを振り切ったタイミングではヘッドは返りますが、そこを我慢してできるだけ遅らせている。完璧なスイングなので、インパクトのタイミングがもうほんの少しだけ早ければセンターへの本塁打になっていたでしょうし、さらにほんの少しだけ早ければライトスタンドに入っていたでしょう」

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
現場には規制線がはられ、物々しい雰囲気だった
《中野区・刃物切りつけ》「ウワーーーーー!!」「殺される、許して!」“ヒゲ面の上裸男”が女性に馬乗りで……近隣住民が目撃した“恐怖の一幕”
NEWSポストセブン
シンガポールの元人気俳優が性被害を与えたとして逮捕された(Instagram/画像はイメージです)
避妊具拒否、ビール持参で、体調不良の15歳少女を襲った…シンガポール元トップ俳優(35)に実刑判決、母親は「初めての相手は、本当に彼女を愛してくれる人であるべきだった」
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
「グラディアトル法律事務所」の代表弁護士・若林翔氏
【改正風営法、施行へ】ホストクラブ、キャバクラなどナイトビジネス経営者に衝撃 新宿に拠点を持つ「歌舞伎町弁護士」が「風俗営業」のポイントを解説
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ(時事通信フォト)
《長嶋茂雄さんが89歳で逝去》20年に及んだ壮絶リハビリ生活、亡き妻との出会いの場で聖火ランナーを務め「最高の人生」に
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン
今年3月、日本支社を設立していたカニエ・ウェスト(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストが日本支社を設立していた》妻の“ほぼ丸出し”スペイン観光に地元住人が恐怖…来日時に“ギリギリ”を攻める可能性
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《子どもの性別は明かさず》小室眞子さんの第一子出産に宮内庁は“類例を見ない発表”、守谷絢子さんとの差は 辛酸なめ子氏「合意を得るためのやり取りに時間がかかったのでは」
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン