台湾軍は9月1日、中国福建省の厦門市(島)から約6kmしか離れていない金門群島の石宇島上空を飛んでいた3機の無人機を撃墜したと発表した。無人機は中国の民間企業のものとみられるが、台湾軍が中国側の無人機を撃墜したのは初めて。
台湾の金門島などには最近、中国側の無人機がたびたび飛来しており、台湾軍は対策を強化すると発表していた。その矢先の撃墜であり、台湾ではネット上で「よくやった」との声がある一方、「小競り合いから軍事衝突に発展するかも」との相反した意見が出ている。
中国の台湾の小島上空の無人機飛来は8月30日にもあり、厦門市から約4kmの金門群島二担島上空を中国製の無人機が飛んでいるのを警備の台湾軍が発見し、発砲した。無人機は旋回して、中国本土方向に引き返したという。
この出来事をうけて台湾側は警戒を強めていたところ、その2日後に石宇島上空に3機の無人機が飛来し、台湾軍によって撃墜されることとなった。
これ以前の8月中旬にも、中国の無人機が金門島の台湾軍基地上空を飛来しているのを発見した台湾兵が石を投げて撃ち落とそうとしている様子や、上空を見上げてなすすべもなく驚いている様子を撮影した動画が中国のインターネット上で公開された。これに対し台湾側は「屈辱的だ」などとして、台湾軍は「今後、対策を強化する」と発表していた。
台湾軍は無人機を発見した際、第1に信号弾を発射し、第2に「台湾側の領土に侵入した」ことを拡声器などで警告、それでも退去しない場合は威嚇射撃によって無人機の退去を求め、最終的には「撃墜」という4段階のプロセスを発表している。
撃墜したことについて、中国ではネット上で「単なる遊びのつもりが本気で撃ってきた」との驚きの声とともに、「中国人民解放軍は台湾が実効支配している中国近海の島を攻撃して奪回すべきだ」との強硬な意見も書き込まれている。