中国政府は国内のインターネットユーザーに対する統制を一層強化している。インターネットの管理を行う「国家インターネット情報弁公室」は8月に入って新たな「指針」を打ち出し、13億4000万件のソーシャルメディアアカウントを削除したほか、約45万件のチャットグループなども閉鎖したことを明らかにした。
習近平国家主席が党トップとして異例の3期目入りを目指す10月の第20回中国共産党全国代表大会(党大会)を控え、習近平指導部への批判を封じ込める狙いがあるようだ。米国を拠点とする中国問題専門ウェブサイト「博訊新聞網」が報じた。
「指針」では、サービスを提供する事業者に対して「利用者が実名で登録していない場合は、一切サービスを提供してはならない」としているほか、「アカウントの登録情報が事実と異なるなど法律に違反した場合は、閉鎖や新たなアカウントの作成を禁止し、当局に報告しなければならない」などとしている。
これを受けて、中国のSNS「微博(ウェイボー)」は同社独自の措置として、「規則に違反した約2000万件の投稿を削除した」と発表している。
中国政府に批判的なコメントを繰り返していた北京大学の孔慶東教授のアカウントは「規則違反のため、正式に停止された」と同氏の微博ページで表示されている。
これらのネット規制については、党大会を歓迎する世論環境を作るための措置とみられている。