話題を呼ぶNHKの2大ドラマ、朝ドラ『ちむどんどん』と大河『鎌倉殿の13人』。その両方に出演しているのが、山中崇(44才)だ。異なる役柄でのギャップが話題を呼んでいる山本について、コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんが解説する。
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朝ドラ『ちむどんどん』と大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。両方を観ている人は、「山中崇のギャップが面白すぎる」と思っているはず。
『ちむどんどん』では、ヒロイン暢子(黒島結菜)の夫・和彦(宮沢氷魚)の元上司・田良島役。田良島は新聞社の記者だった和彦に、デスクとして、厳しくもあたたかいアドバイスをするほか、暢子との交際に反対する和彦の母・重子(鈴木保奈美)が会社に乗り込んでくると「無駄ですよ。若者はいつも自分の力で障害を乗り越える」などとおとな対応。退社してフリーの物書きになった和彦の売り込みを手伝ってくれたり、暢子が開いた沖縄料理店の来客第一号になってくれたり、ふたりの応援を続ける。
一方、『鎌倉殿』では、鎌倉幕府の執権となった北条時政(坂東彌十郎)とりく(宮沢りえ)の“婿殿”平賀朝雅役だ。京都守護として、三代将軍・源実朝(柿澤勇人)の正室を都から迎えようと後鳥羽上皇(尾上松也)にお願いなどする。朝雅は鎌倉の武将でありながら、立ち振る舞いやヒゲなどもどこかお公家風。
りくに御家人たちからの貢物を持っていってよいと言われて、手に取ったのは赤い扇。作り笑いの声も「おっほっほ~」と聞こえるし、りくが生んだ政範が十代半ばで大出世したと知ると「素晴らしい~~~」と上ずった声で絶賛する。私は勝手に「マロモード」と呼んでいるが、こういう顔もとっても面白い。
しかも、平賀朝雅は、この後、大事件のキーマンとなるのである。そのきっかけとも言える場面は、すでに出てきた。都で源仲章(生田斗真)に「あなた、自分で執権別当になる気は?」などと声をかけられ、はじめは本気にしなかったものの、執権の跡取り候補の政範がいなくなれば事情が変わると言われて、朝雅の表情は微妙に変わったような…。そして、政範は朝雅に迎えられ、京に入ったわずか二日後に謎の死を遂げるのだ。怪しい。怪しすぎる!