「演歌第7世代」の勢いが止まらない。『名探偵コナン』の公式スピンオフ作品『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』のオープニング曲を歌手の新浜レオン(26才)が歌うことになった。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、新浜の最近の活躍ぶりと抜擢の背景について解説する。
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「今回のお話をいただいたときは、感激して胸が“ザワ”つきました!! 疾走感溢れるこの曲で、大好きなこのアニメを熱く盛り上げます! 犯沢さんと一緒に駆け上がレオン」
とは、『名探偵コナン』の公式スピンオフ作品『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』のアニメ放送・配信の情報解禁と共に、オープニング曲『捕まえて、今夜。』を歌うことが発表された新浜レオンのコメントだ。
新浜は、「演歌第7世代」と呼ばれる若手イケメン演歌歌手の筆頭的存在。テレビでは歌番組のみならず、『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)や『プレバト!!』(MBS・TBS系)などのバラエティのスタッフからも注目されている。“つかみ”のネタは、実父の演歌歌手、高城靖雄が1996年より「伯方の塩」のイメージキャラクターとして全国ネットのCMに出演していたこと。「“伯方の塩”の息子」として、あの有名なCMソングを歌マネすることから始まる。
レオン語と“後輩力”で芸人、先輩歌手からも可愛がられる
その後も、自身の名前に因み、「頑張レオン」「突っ走レオン」「お疲レオン」といった“レオン語”を連発。人懐っこさと“後輩力”を発揮し、お笑い芸人らの認知度もひじょうに高いのだ。
今年3月の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)では新浜が不在なのに陣内智則や霜降り明星の2人が「“お笑い第7世代”よりも頑張っている“演歌第7世代”の新浜レオン」に言及。昨年末、『サンデージャポン』(TBS系)にスタジオ出演した際には、爆笑問題の太田光が“レオン語”をなぞり、エンディング「本日のお詫び」で新浜を選出したほどである。
冒頭の「駆け上がレオン」も、“犯沢(はんざわ)さん”に掛けて「“ザワ”つきました!」としたのも、サービス精神旺盛で根っから明るい新浜ならではのコメント。この性格は、演歌の大御所、五木ひろしをはじめ、野口五郎から「純烈」まで、多くの先輩たちから番組やコンサートの共演者として“御指名”を受け、可愛がられている。
さて、「演歌歌手」「アニメ主題歌」といえば、氷川きよしが歌った『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)2期オープニングテーマ『限界突破×サバイバー』と『ゲゲゲの鬼太郎』(同)が真っ先に浮かぶ方が多いのではないか。特に『限界突破~』は、当初、氷川の歌唱だと知らない若者層が新たなファンについたことでも知られ、「歌の上手な人は、どんなジャンルの曲を歌っても上手」とも評判になった。これらの曲は、氷川ファンのメインである高齢女性は選ばない“配信”で広がりを見せたことも演歌界では稀有で貴重な例とされていた。
が、コロナ禍、思うような活動ができないなか、SNSを利用して積極的にプロモーションをしてきた「演歌第7世代」のファンは、当初からスマホ片手に“推し”の応援をしており、配信はもちろん、話題のNFTなどにも興味をもつ人たちがいるのである。
『犯人の犯沢さん』は、読売テレビ、TOKYO MX、BS日テレでの放送と同じタイミングでNetflixにて国内配信を開始。全世界で独占配信することも決定している。
元々の新浜ファンも自然に入っていけるうえ、全世界累計発行部数2億5000万部超えで、昨年は記念すべき100巻が発売された『名探偵コナン』ファンの皆さんはもちろん、公式スピンオフ作品『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』を愛するファンの皆さんが「新浜レオン」の名前と歌声を知ることは間違いないだろう。