国内

「なりすましコスプレイヤー」の迷惑事例が増加  鉄道会社の制服姿で一日駅をうろつく人も

駅に駅員ふうの服装だと周囲が混乱する(イメージ)

それらしい制服のように見える服装で周囲を混乱させてはならない(イメージ)

 コスプレと聞くと漫画やアニメ、映画などキャラクターに扮することをイメージする人が多いだろうが、警官や消防、駅員やパイロットなど、憧れの職業になりきるコスプレをする人たちもいる。お互いにコスプレだと承知している者だけが集まるゾーニングされた空間でそれらに扮するならともかく、日常生活が送られている社会で警官コスプレなどを行うことは、軽犯罪法第一条15号に違反し拘留または科料に処される罪となる。ライターの宮添優氏が、日常でもコスプレをやめられない迷惑な人たちによるトラブルについてレポートする。

 * * *
 酒に酔ったような男が女性客に絡む一部始終が記録された動画が、SNS上にアップされ話題となった。撮影されたのは関西のある私鉄内。私鉄は空港に直結する線で、男はパイロットの「ような」姿に、これまたパイロット「ぽい」キャリーバッグまで引き、動画の撮影者に、自身が国内大手航空会社の所属であることまで告げて立ち去った。しかし、この航空会社によれば、男の在籍は確認できないという。電車に乗り合わせ、男を見たという女性(30代)は、男の様子に不自然さを感じたと証言する。

「パイロットにしてはチャラいなと(笑)。お酒のせいなのか普通じゃない感じで、こんな人がパイロットなのかと驚きましましたが、後日ネットで真相を知り、世の中いろんな人がいるんだなと感心するというか呆れたというか」(男を目撃した女性)

 動画がアップされたあと、この男のSNSアカウントも特定され、そこにはパイロットに憧れているような書き込みも目立ったが、どうもパイロットの格好は「コスプレ」だったらしい。そして、このような「コスプレ」姿のお騒がせ者が、実はそこら中に現れているという。

「エントランスや近くの喫茶店には、今もインチキな”業界人”が結構いますよ」

 都内の大手テレビ局に勤務する西川幸二さん(仮名・50代)は、つい最近も局内のロビーで、スマホを片手に「いかにも業界っぽい」会話をするフリをする男を見かけたという。

「シャツやセーターを肩にかけて……プロデューサー巻きっていうんでしょうかね、ものすごいベタな格好(笑)。ロビーを行ったり来たりして”××ちゃんに言っといてよ~”とか”スケジュールがオシオシなんだよ~”とか話してるんですが、実は電話するフリ。男は有名人で、たまに現れてはロビーに何時間も居座って、業界人気取りトークをしている。警備員からもマークされている要注意人物です」(西川さん)

 実害がなければ「単なる変な男」で済ませられるかもしれない。だが、男は局を訪れた観光客などに「芸能界に興味はない?」と怪しい勧誘をしているのだという。

「大人なら引っかからないでしょうが、修学旅行でやってきた学生なんかに適当なこと言って、ワーワー騒がれてました。警備員がその都度注意をするんですがね。似たような人は定期的に現れて、出入り禁止になっている人もいるそうです」(西川さん)

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン