大阪なんばの隣、JR今宮駅、地下鉄の御堂筋線と四つ橋線の2路線が乗り入れて便利な大黒町駅、この二駅からほど近い場所に店を構える『よしのや酒店』。
店主は3代目の堀谷智子さん(53歳)だ。三姉妹の長女でもある店主は、「頼れる姉貴みたいな存在やね」(40代)と、常連客に慕われている。
客を温かく迎えてくれる大きな笑顔と本格的な料理が人気の秘密。店の近くにある“大阪の台所”木津卸売市場で働く食のプロたちも太鼓判を押す。
「仲間うちでおいしい店があるって噂になっていて、仕事帰りに寄ってみたら、すっかり気に入ってね。とくに刺身は絶品やね、これもうちの市場から仕入れてるやろ。マグロは濃厚で旨いで」(40代、精肉店勤務)
「焼き鳥に天ぷらに…何でも旨いけど、なかでも日替わりのつまみが楽しみで毎日通っとる。日替わりは、カレーもあればハンバーガーが出てくるときもあって驚くわ。
『今日はそうめんあるで』って暑い夏にはさっぱりした料理を出してくれたり、冬場は小さなお鍋で〆の雑炊を作ってくれたり、智ちゃん(店主)の優しさだよね」(40代、青果店勤務)
「智ちゃんには毎日心からご苦労さんと言いたいね。私は、トロよりフォアグラよりもこの店のいわしの天ぷらが好きなんや」(70代)と、カリッと揚げたての天ぷらをつまむ常連客。
本日の日替わりは、野菜を巻いた太刀魚のソテーと大きな卵焼き、真っ赤なタコさんウインナーの競演だ。
「タコさんの形にしたら可愛いやろ?(笑い)。魚は木津卸売市場で毎日仕入れています。太刀魚は身が薄いから野菜を巻いたらボリュームが出るやろうなぁとか、毎日色んなレシピを考えるのは楽しいですよね」と店主はにっこり。