国内

自民党「旧統一教会」調査に大きな抜け道 “隠蔽”された関係議員33人の名前

関係があっても自民党リストには載らなかった議員も…(左から細田博之・衆院議長、麻生太郎・自民党副総裁、細野豪志・代議士)

関係があっても自民党リストには載らなかった議員も…(左から細田博之・衆院議長、麻生太郎・自民党副総裁、細野豪志・代議士/時事通信フォト)

 自民党は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に関するアンケート調査の結果、所属議員379人中、教団と接点があった121人の氏名を公表。だが、第2次安倍政権以来、3000日にわたって教団と政界との関係を追跡してきたジャーナリスト・鈴木エイト氏の取材結果と照合すると、関係があったのに自民党のリストには載っていない議員が33人もいた。鈴木氏が指摘する。

「これは調査といえる代物ではない。そもそもアンケートは教団や関連団体の会合出席や祝電、会費支払い、寄附を受けたか、選挙支援など8項目に限定して、その有無と回数を記入させるやり方でした。しかも、公表されたリストには、各議員がどの会合に参加したのか、日時や場所が明記されていない。これでは私が各議員に取材し、旧統一教会の関連団体であると通告した後、懲りずに会合などに参加していたかどうかさえも検証できない。非常に杜撰です」

 自民党のリストは、旧統一教会と関連団体の会合を分けて「議員本人出席で挨拶有り」「議員本人出席で講演」「寄付やパーティ収入有り」など教団とどう関わったかの内容別に分類して議員名を公表している。

 だが、関連団体の会合で講演していた元安倍派会長の細田博之・衆院議長、関連団体イベントの代表世話人を務めた現職閣僚の西村明宏・環境相、世界日報元社長から献金を受けていた細野豪志・代議士などはどの分類にも名前がない。

 調査で“見逃されている”議員もいる。

 麻生太郎・自民党副総裁は教団系列の「ワシントン・タイムズ」に全面意見広告を出し、衛藤征士郎・元衆院副議長は教団が推進する「日韓海底トンネル推進議員連盟」の代表を務めた(現在は議連を解散)。だが、自民党アンケートの質問には該当する項目がないため、議員リストには名前が一切出ていない。

 別掲の表は、鈴木氏の取材で旧統一教会との関係が浮上しながら、自民党の公表リストからは漏れている33人をピックアップしたものだ。

 週刊ポストが33人に公表リストに名前がなかった理由を取材すると、自民党調査の問題点が見えてきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
アントニオ猪木さん
アントニオ猪木を看取った付き人が明かす「最期の2か月」 “原辰徳の物まねタレント”が猪木を介護することになった不思議な巡り合わせ
週刊ポスト
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン
田中容疑者の“薬物性接待”に参加したと証言する元キャバクラ嬢でOLの女性Aさん
《27歳OLが告白》「ラリってるジジイの相手」「女性を切らすと大変なんだ…」レーサム創業者“薬漬け性接待”の参加者が明かした「高額報酬」と「異臭漂うホテル内」
週刊ポスト
宮内庁は小室眞子さんの出産を発表した(時事通信フォト)
【宮内庁が発表】眞子さん出産で注目が集まる悠仁さま成年式「9月ならば小室圭さんとともに出席できる可能性が大いにある」と宮内庁関係者
NEWSポストセブン