ライフ

腸内環境を整える【食物繊維】理想は“不溶性:水溶性=2:1”で摂取

(写真/GettyImages)

食物繊維はどの程度の摂取が必要なのか(写真/GettyImages)

「第二の脳」「健康のバロメーター」ともいわれる腸。腸内環境を整える最善手はやっぱり「食物繊維」だ。食物繊維はどのようにして摂取すればいいのか。【前後編の後編。前編から読む】

 * * *
 食物繊維が豊富な食材といえば、まず思い浮かぶのは野菜や果物。だが、野菜ばかり食べていても不充分だ。一口に食物繊維と言っても、何でもいいわけではない。

 食物繊維は、大きく「不溶性」と「水溶性」の2つに分けられる。不溶性食物繊維とは、その名のとおり、水に溶けない食物繊維のこと。「野菜の食物繊維」といえば、不溶性食物繊維であることが多い。葉物野菜のほか、しめじ、エリンギ、えのきたけなどのきのこ類、ライ麦、玄米などの穀物、ゴーヤー、オクラ、ブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜、ブルーベリーなどにも多く含まれる。

『腸スイッチを入れて排便力アップで長寿を手に入れる』などの著書がある、松生クリニック院長の松生恒夫さんは言う。

「腸の水分を吸い込むことで便のカサ増しをするのが、不溶性食物繊維の特徴です。腸内で便のカサが増えると腸が刺激されてぜん動運動が起き、排便が促される。ただし、不溶性食物繊維ばかり食べていると便が硬くなり、かえって便秘が悪化する場合もあります」(松生さん・以下同)

 一方の水溶性食物繊維は、水に溶ける食物繊維のことで、代表格は、わかめや昆布といった海藻類。ほかには、大根やごぼう、さつまいもなどの根菜類、もち麦、スーパー大麦、キウイフルーツや柑橘類などに多い。

「水溶性食物繊維は、腸内の水に溶けて、ドロドロのゲル状になるのが特徴です。腸内の老廃物をからめ取りながら、便をやわらかく、出しやすくする」

 いわば、不溶性食物繊維が腸内で“ほうき”の役割を果たし、水溶性食物繊維は“洗剤”の役割を果たすのだ。

 そして、腸内細菌のえさになるのは主に、水溶性食物繊維。だが、水溶性食物繊維ばかりに偏ると、下痢ぎみになることもある。食物繊維は、不溶性と水溶性の両方を摂取して、初めて意味があるのだ。

 不溶性、水溶性のいずれも豊富に含まれているのは、絹ごし豆腐、にんじん、里いも、じゃがいも、グレープフルーツ、アボカド、納豆など。

「理想は“不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1”の割合で摂取することです。例えば、キウイフルーツ100gあたりに含まれる食物繊維の割合は、不溶性1.8g、水溶性0.7gと、非常に理想的なバランスです。全国の便秘ぎみの親子498組を対象に、1日1個のキウイフルーツを2週間継続して食べてもらったところ、7割弱の人の便通頻度が1日1回以上になりました」

 そのほか、りんごやアボカド、オクラ、大麦、オートミールなども、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が2:1に近い割合で含まれている理想的な食材だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン