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頭痛、嘔吐、不整脈になることも…やってはいけない「薬×食べ物」のみ合わせ

(写真/GettyImages)

注意すべき「薬×食べ物」ののみ合わせは(写真/GettyImages)

「治療のため」「予防のため」「健康のため」──年齢を重ねるうちに、どうしても薬をのむ頻度は多くなりがちだが、薬には相性が悪いものがある。場合によっては健康被害をもたらしかねないの。そこで、やってはいけない「薬×食べ物」の“のみ合わせ”を紹介する。

 毎日の食事にも危険は潜んでいる。北海道在住の山川雅子さん(仮名・53才)が振り返る。

「高血圧のため降圧剤をのんでいるのですが、朝食にグレープフルーツジュースをのんで台所に立とうとしたところ、目の前が真っ暗になって倒れてしまったんです。幸い、家族がいたので事なきを得ましたが、本当に怖かった」

 山川さんに何が起きたのか。銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘さんが言う。

「グレープフルーツに含まれる成分『フラノクマリン類』が、小腸の上皮細胞に存在するCYP3A4という酵素の働きを阻害してしまう。本来は分解されるはずの成分がそのまま体内に吸収され、通常の2〜3倍の薬をのんだような血中濃度になってしまう。山川さんは降圧剤が効きすぎ、血圧が下がりすぎたと考えられます」(長澤さん・以下同)

 グレープフルーツによって薬効が増強されてしまう薬は幅広く存在し、抗菌薬や抗アレルギー剤、糖尿病や高脂血症の治療薬、抗うつ剤、睡眠薬など多岐にわたる。また、一度グレープフルーツを食べると、その効果は3〜4日間続くというから注意が必要だ。

 血液をサラサラにするワルファリンをのんでいる人は、食べ物に気を配る必要がある。

「血液を凝固させるビタミンKの働きを抑えるのがワルファリンの作用ですが、納豆や青汁、ほうれん草などにはビタミンKが多く含まれ、食べると薬の作用が弱くなってしまう。ワルファリンが効かなくなれば、脳梗塞や心筋梗塞の再発につながることもありえます」

 外出先で咳をするのがはばかられる昨今だが、咳止め薬を使うなら知っておいた方がいいことがある。奈良県の高木佳代さん(62才・仮名)の体験談。

「咳がひどかったのですがPCR検査が陰性だったので、咳止め薬をのんで友達と喫茶店に行きました。濃いめのコーヒーをのんでいたところ、頭が割れそうなほどの頭痛が襲ってきました。しばらくテーブルに伏せってしまうほどで、怖かったです」

 薬剤師の三上彰貴子さんが推測する。

「咳止め薬に含まれるテオフィリンは、カフェインとのみ合わせると副作用が強く出ることがあります。頭痛のほか、気分が悪くなったり、頻脈に襲われることもあります」

取材・文/土屋秀太郎

※女性セブン2022年9月29日・10月6日号

やってはいけない「薬×食べ物」のみ合わせ

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