9月11日にマジックを再々点灯させたヤクルト。最短で9月22日の優勝(9月19日現在)となるが、中でも注目されているのは村上宗隆(22)の本塁打記録。王貞治(82)に並ぶ55号本塁打を放ち、2013年にバレンティン(38)が樹立した日本記録60本に迫ろうとしている。ヤクルト戦には村上の本塁打を見ようと多くのファンが観戦に訪れ、神宮球場では村上グッズが完売するなどの盛り上がりを見せている。
そんな絶好調のヤクルトの選手を8月22日の早朝、都内の繁華街の路上でキャッチした。朝5時半、Tシャツに短パン姿の市川悠太(21)と嘉手苅浩太(19)が、派手でスタイルの良い女性2人を伴ってコンビニから出てきた。身長184センチの市川と191センチの嘉手苅はラフな格好をしていてもかなり目立っており、女性たちからは「(野球選手って)みんな大きいんだね」と話しかけらて笑顔を見せるなど、アイスを片手に騒ぎながら会話していた。
市川は明徳義塾高から2019年のドラフト3位でヤクルトに入団したプロ4年目のピッチャー。2年生エースとして甲子園に出場経験があり、秋の明治神宮大会では全試合に完投して優勝。3年生ではU18日本代表にも選ばれている。プロ入り後、3年間は二軍で実戦経験を積み、6月30日にプロ入り初の一軍昇格を果たした。勝てばマジックが点灯するというDeNA戦(7月1日)に4番手として9回に起用、一軍での初のマウンドでは1点を献上したが、大崩れはしなかった。
その後、一軍と二軍を行き来しているものの、「150キロのストレートとキレのあるスライダーが持ち味。リリースポイントが低い変則フォームの若手だが、同じサイドスローとして高津臣吾監督が二軍監督時代から期待しているひとり」(スポーツ紙担当記者)だという。
嘉手苅は日本航空石川高から2020年のドラフト6位でヤクルトに入団したプロ2年目のピッチャーだ。「まだ一軍経験はないが、長身から投げ下ろす150キロ台の重い球質のストレートが武器。変化球のキレもよく、課題とされる制球難が修正されれば先発ローテションの一角を担えるとされる期待の新人」(同前)だという。
8月22日は一軍も二軍も試合がなかったが、前日(21日)のゲームでは中日に0-1で完封負け。一方、2位・DeNAは広島戦で本拠地17連勝を飾り、ヤクルトとのゲーム差4に迫っていた。
また、ヤクルトは選手ら27人が新型コロナ陽性となったことが影響してオールスター明けからこの日まで7勝12敗。連覇が危うくなり始めた時期だった。
嘉手苅は7月26日に球団32人目となる新型コロナに感染していた。ヤクルトの球団広報に当日の2人の行動について聞くと、「8月22日の時点でチームとして外出禁止は行なっていません。知人と会うということも問題はありません。外出禁止の時間帯が決まっているわけでもなく、問題を起こすことがなければ常識の範囲内の人数での飲食も認められています。もちろん男性の友人、女性の友人ということも関係はありません」と回答した。
合コンから4日後(8月26日)からのDeNAとの直接対決にヤクルトは3連勝。「若い選手の自覚に任せ、明るく、楽しく、のびのびと……」という管理方針が、村上宗隆はじめ、イキのいい高卒選手が次々と台頭する理由なのかもしれない。