ライフ

歯周病を防ぐ「正しい歯磨き」 無闇に磨くだけではかえって効果が減退することも

「正しい歯磨き」でセルフケアを(イメージ)

「正しい歯磨き」でセルフケアを(イメージ)

 日本の成人の約7割が、歯周病を患っているとされる。放置すると心臓病や認知症など重大な疾患につながることが、近年わかってきた。ただ、歯周病は自覚症状がないまま進行していくことが多い厄介な病気だ。どう備えればいいのか。

 密かに進行する歯周病から身を守るために重要なのが「セルフケア」だ。

 具体的には誰もが日常的に行なう「歯磨き」だが、実は磨き方には多くの誤解がある。1日に何回も、というように無闇に磨くだけでは、かえって効果が減退することがあるという。

 日本臨床歯周病学会の認定歯科衛生士である太田由美氏は、歯周病を予防するためには「1日1回」は時間をかけて丁寧に磨くことが大事だという。

「毎回丁寧に行なう必要はなく、歯ブラシプラスアルファのケアは夜、寝る前が推奨されています。ただし、虫歯予防のためには1日3回、食後になるべく時間を置かずにやっていただきたいです。昼は仕事などで忙しくて磨けない場合は、口をゆすぐだけでもいいでしょう」(太田氏、以下「 」内同)

 歯ブラシの「正しい持ち方」も、重要になる。

「歯ブラシの柄はグーの手で握りしめず、“ペングリップ”とします。力任せにゴシゴシ擦るのは避けて、歯と歯茎の境目にブラシをあて、小刻みに動かします。その際、前歯は2~3本、奥歯は1~2本ごとに磨きます。境目を磨いたら、歯の表面の汚れを落とします。磨き残しがないように、順番を決めて動かすと良いでしょう」

 健康であれば、歯ブラシを歯と歯茎に向けて垂直にあてる「スクラビング法」でよいと言う。

「45度に傾けるバス法は歯周ポケットにより深く入るため、優しく行なう必要があります。バス法で力を入れると歯茎に負担をかけ、歯茎が下がる恐れがあります」

歯磨き粉は極力少なめに

 磨く際に忘れがちなのが、「歯の奥の裏側」だ。

「ここを磨くと、嘔吐反射がある人はえずくので苦手という人がいますが、鎖骨の真ん中のくぼみにあるツボを押さえながら行なうと緩和できます。歯の一番奥も磨き残しがちなので、歯ブラシをあて、左右に擦るように撫でて汚れを落とします」

 歯ブラシなどはどう選べばいいのか。

「歯ブラシはストレートで、ヘッドは大きすぎないものが奥歯に入りやすく使いやすいでしょう。毛の硬さはふつうかソフトタイプがおすすめです。また、電動歯ブラシは回転数・振動数が多い音波式がおすすめですが、“磨いた気になる”“動かしすぎてしまう”など使い方のミスも目立ちます。自己流で使うと、歯茎に負担をかけることもあるので要注意です」

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン