次々と新たなヒロインが登場する女子ゴルフ界で今、最も注目されているアマチュアが須藤弥勒ちゃん(11)だ。世界中のジュニア大会を席巻し、すでに10社以上のスポンサーが付く未来の「賞金女王候補」が新たに師事したのは、あの「横峯パパ」だった。そんな最注目コンビの秘密特訓に密着した。
「弥勒ちゃ~ん」
「ハイ、良郎監督!」
異色の師弟関係が誕生した。史上初となるジュニア世界4大メジャーのグランドスラムを達成した天才少女・須藤弥勒ちゃんが、さらなる高みを目指して女子ツアー23勝の横峯さくらを育てた横峯良郎氏(62)に弟子入りしたのだ。
歳の差は51。師事することを決めた経緯を母・みゆきさん(50)が語る。
「弥勒がゴルフを始めたのは1歳の頃です。主人(憲一さん=48)が技術指導し、私が生活面をサポートしてきました。私も主人もゴルフの経験がなく、主人は独学でゴルフを理論的に分析して指導してきました。ですが、7月の世界ジュニアで惨敗(首位と17打差の17位)したことで、主人は自分の限界を悟りました。
多くの指導者がいましたが、さくらさんをゼロから育てた横峯さんにお願いすることにしました。もし世界ジュニアで優勝していたら弥勒も主人も“このままでいい”と胡坐をかいていたと思います」
父・憲一さんの弥勒ちゃんへのサポートは徹底している。東大教授(宗教学)だったが、弥勒ちゃんをプロゴルファーにするために退官。練習環境を確保しようと茨城県のゴルフ場に就職した。小中高の教員免許を持つみゆきさんが勉強を教え、試合ではキャディを務める。栄養士の資格を取って食事面からも支えてきたが、今後は全面的に良郎監督の指示に従うという。
良郎監督とは普段はSNSで連絡を取り合い、月に4~5日のミニ合宿を張る。8月に初レッスンを受け、今回は2回目となる合宿に密着した。
横峯流の練習方法は型破りなことで知られる。横峯さくらも竹ぼうきでスイングしたり、バットやテニスラケットでゴルフボールを打つことで正確でかつ遠くへ飛ばすスイングを身に付けてきた。