ユニークな設定などから話題を呼ぶことが多い最近の仮面ライダーシリーズだが、今回の新シリーズ『仮面ライダーギーツ』(テレビ朝日系)も謎だらけだという。これまでの仮面ライダーシリーズをチェックしてきた、コラムニストのペリー荻野さんが綴る。
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4日にスタートした『仮面ライダーギーツ』は、謎に満ちている。
物語の始まりは、雪が降る海岸でジャバーンジャバーンと打ち寄せる波(映画ファンならば、このシーンが東映映画オープニングの『荒磯に波』を思い浮かべるはず)を眺めていた浮世英寿(簡秀吉)に美しい女性が「おめでとうございます。今日からあなたは仮面ライダーです」と知らせを届けたこと。この美女ツムリ(青島心)は仮面ライダーたちが参加することになる「デザイアグランプリ」のナビゲーターだ。
このシリーズでは、同様にお知らせと「ドライバーとITコア」を受け取った人間たちが、社会の平穏を乱す敵ジャマトと戦うゲーム「デザイアグランプリ」に参加し、勝ち抜いた者が、あらかじめカードに記した自分の理想の世界を叶える権利を得るという仕組みなのだ。
参加者の背景は実にさまざま。英寿はさまざまな広告に顔を出し、キャーキャー言われるスターだし、物語の進行役ともいえる桜井景和(佐藤瑠雅)はたぬきそばが大好きな就活中の大学生。鞍馬祢音(星乃夢奈)は、一般人になりたいと家出を画策している超セレブのお嬢様インフルエンサーだ。
このほか、英寿にライバル心むきだしの吾妻道長(杢代和人)、ワケアリお父さんという雰囲気のIT企業人事部長・平孝人(長谷川朝晴)など、それぞれが理想の世界を目指し、仮面ライダーに変身して戦うのである。
もう、この時点で謎がいっぱい。ジャマトはどこから来るのか、何が目的か。なぜ、この顔ぶれが仮面ライダーに選ばれたのか。「デザイアグランプリ」とは何なのか。
しかも、今回のライダーたちのモチーフはなかなかに個性的。
まず、“不敗の男”英寿の『仮面ライダーギーツ』は白のキツネだ。景和の仮面ライダータイクーンは緑のたぬき、祢音の仮面ライダーナーゴは黒猫、道長仮面ライダーバッファは紫の牛、中でもとっても目立つのは、高校生の墨田奏斗が変身する仮面ライダーダパーンのパンダである。