まさかの「出馬宣言」は世間を大いに驚かせた。任期満了に伴う宮崎知事選(12月8日告示、25日投開票)に、“横峯パパ”こと横峯良郎氏(62)が出馬の意向を固めたという。すでに現職で4選を目指す河野俊嗣氏(58)、前知事の東国原英夫氏(62)が出馬を表明しており、“第三の男”の出現で大荒れ必至となった。
女子プロゴルファー・横峯さくらの父として知名度抜群の良郎氏。2007年から参議院議員を1期務めた経験があるが、なぜ今、出馬を決意したのか。記者会見は10月中旬頃の予定だというが、今回、本誌にその思いを語った。
「東国原さんが立候補会見(8月17日)を開いて、自民党にも推薦願を出すと話したが、出してもらえずに河野さん推薦に決まった。その理由を自民党県連は“現職の河野さんのほうが中央とのパイプがあるから”と。これを聞いて、またか……と思ったんよ。それではダメ。宮崎と中央の関係を変えたいと思って出馬しようと決めた」
そこには長年、宮崎県で暮らしてきた良郎氏だからこその思いがあった。
「宮崎の最低賃金知ってる? 時給821円だよ。10月から32円引き上げられるけど、その程度じゃ何も変わらない。東京は1072円だよ。宮崎には大企業の支社もあるけど、県内の水準で給料を払うから一向に上がらないし、家を建てようと思っても銀行がなかなかカネを貸してくれない。
それを県民に気づいてもらいたいのよ。“中央とのパイプ政治”をやっても、何も良くならないどころか悪くなってる。東国原にはできない? そりゃそうよ。言わないんだから。オレは宮崎県の最低賃金を1300円にする」
娘・さくらをはじめとした家族の反応が気になるが、良郎氏は「誰にも相談せずに発表した」と言う。
「だって関係ないじゃん。家内も来ないよ。報道を見て驚いてるんじゃない。今回は、家族はもちろん政党や組織にも関係なくまったくの個人として戦おうと思ってる」
自身では「当選確率」をどう予想しているのか。
「まったくわからん。でも沖縄県知事選で(玉城)デニーさんが、自民党と旧統一教会の関係などが影響して下馬評を覆して勝った。民意はあるんだと思ったよ。オレも宮崎で“第二のデニー”になりたいね」
波乱の選挙戦、県民は誰を知事に選ぶのか―。
※週刊ポスト2022年10月7・14日号