巨人・坂本勇人(33)が女性醜聞で大炎上しているが、なぜかスポーツ紙もテレビ局も“完全スルー”を決め込んでいる。坂本はこれまでも度々女性問題が報じられてきただけに、ファンからは本人による説明や何らかの処分を求める声が噴出。球団は、醜聞を報じた『文春オンライン』に坂本と女性の間で示談が成立していることを回答した以外には公式な発表をせず、坂本はお咎めなし。報道翌日も試合に出場した。
坂本だけではなく、伝統的に巨人には「スター選手」に甘い体質がある。
そもそも原監督自身、かつて女性問題を巡って元暴力団員から1億円を要求され、支払いに応じたと、2012年6月に『週刊文春』に報じられた。その際、原監督は不倫関係と金銭の支払いを認める書面を発表したが処分はなく、その年のペナントで日本一に輝いた。
「坂本の件に突っ込むと、原監督の1億円事件にも再び注目が集まってしまうかもしれない。多くの記者はあと2年契約が残っている原監督の顔色を見ています。GMに近い全権監督ににらまれたくはありません」(元巨人番のスポーツ紙編集委員)
様々な場面で少しずつ、報じる側が“踏み込まないようにする”傾向が強まっているのだという。
「9月6日に巨人の長嶋茂雄・終身名誉監督が自宅で倒れて緊急入院した際、最初はある大手新聞社が容態について号外を出そうとしたそうだが、最終的には巨人からの発表に基づく横並びとなった。国民的英雄の安否に関わることで慎重を期したのは事実だが、入院後はテレビや新聞は周辺取材も自粛している」(同前)
それはつまり、以前より記者が「スクープ」を求めなくなったということでもある。
「昔は選手やフロントにぶら下がり、夜討ち朝駆けをしていたけど、今はコロナもあって独自ネタを取るのが難しく、各社とも似たような紙面になる。現場でもスクープをもぎ取って孤立化するより、仲良くやりたいという記者が多い」(同前)
もちろん、近年は地上波での巨人戦の放送が減るなどしたことで、巨人とメディアの関係にも少しずつ変化が生じている側面はあるのだろう。
「今やスター選手はメジャーに行くし、ファンの好みも多様化して他の人気球団が増えたこともあってメディアは昔ほど“巨人頼み”でなくなりました。とはいえ、オフに選手をゲストで呼ぶ時は、全国区での知名度が高い巨人の選手に声がかかることが多いですからね」(巨人戦の解説も務める野球評論家)
※週刊ポスト2022年10月7・14日号