歳を取ったと感じやすいのが「目」「視力」ではないだろうか。少しずつ「近視」が進み、40を過ぎた辺りからは「老眼」に悩まされる。できれば手術しないで済むように、視力を保つことが理想だ。
しかし、眼科専門医の平松類医師(二本松眼科病院)は「多くの患者さんが、視力が下がる習慣を持っている」と指摘する。代表的な「目に悪い習慣」を紹介する。
【1】目をこする
まずは、クセでやりがちな「目をこする」こと。
「無意識に目をこするのは男性に多いが、感染症のリスクが上がります。結膜炎を起こすアデノウイルスは、ドアノブや吊り革などそこら中にいて、2週間ほど生き続けるとされる。それが付着した手で目をこすれば、結膜炎を発症します。またこする刺激で、白内障を発症するリスクもある」(平松医師。以下、「」内同)
【2】まぶた(目)を押すマッサージ
健康のために良かれと思ってやることが、結果的にマイナスになることもある。
「疲れた時にまぶたの上から目を軽く押す人がいますが、その時に目そのものをマッサージしてはいけません。目を押して眼球に圧力がかかると、内側の網膜が剥がれる網膜剥離や、刺激により白内障になるリスクがある」
【3】頻繁に洗眼液で目を洗う
眼球の表面を洗い流す洗眼液の使用も注意が必要だ。
「毎日のように洗眼液で目を洗うのはよくありません。高齢の方ではホウ酸で目を洗う習慣のある人もいます。感染症が多かった時代はホウ酸で洗うのがよいとされていましたが、頻繁に目を洗うと、眼球の保護膜である涙を構成する水分や油分、ムチンといった大事な成分まで一緒に流れてしまいます」