今季限りでの退任を表明していた阪神タイガース・矢野燿大監督(53)の後任が、岡田彰布氏(64)に決定したと報じられた。阪神の百北幸司球団社長は9月27日に大阪市内の阪神電鉄本社で取材対応し、「現時点でシーズンが終わるまでは(監督人事を)私のほうから申し上げることはありません」としながらも、「(次期監督の)目途は立っている」と矢野氏の後任が決まっていることは認めた。
岡田氏は2004年から2008年まで阪神を指揮し、2005年には鉄壁のリリーフ陣・JFKを擁してリーグ優勝を果たしている。その再登板の第一報を報じたのは関西版の産経新聞とサンケイスポーツだった。27日付の一面で〈阪神次期監督に岡田氏〉〈阪神新監督 岡田氏内定〉の見出しを打ったのだ。阪神担当記者が言う。
「産経新聞の嘱託に野村(克也)監督や星野(仙一)監督の就任をスクープしてきた記者がいる。産経新聞が一面で阪神の監督人事を報じることは珍しく、サンスポも産経新聞からの情報で書いたようだ」
今回の阪神の次期監督人事を巡ってはメディア側も神経を削らせる状態になっていた。在阪スポーツ紙のデスクが言う。
「『週刊文春』(9月14日発売号)で報じられたように、9月9日には球団が監督報道を自粛するように要請し、協力依頼に応じない社は無期限で報道協力しないと通達していた。つまり監督人事を報じた社は“出禁”にするということですが、この通達が出た時点で岡田氏の監督起用は固まっていたとみていい。球団としてはナインが動揺しないように報道を自粛してもらい、CS出場が叶うかを静観してほしいということでしょう。それに対して、産経とサンスポが腹をくくって報じた格好だ。報道協力がなくなるといっても今季は残り3試合で、阪神が主催の甲子園の試合は1試合だけ。CSの進出も厳しいと判断したのだと思われます」