重厚なハートのモチーフが連なるゴールドのネックレスに、直筆の手紙が添えてある。黄色味がかったヨコ20cm弱の厚手の便箋に、英国のロイヤルファミリーが住むケンジントン宮殿の紋章。そこに黒のインクで、流れるようにしたためられた6行のメッセージ。
《この素晴らしいネックレスをあなたに贈ります》
文末には「from Diana」と記されている。贈り主は1997年にこの世を去ったダイアナ元皇太子妃(享年36)。このネックレスと手紙は彼女の遺品だ。
「9月8日に英国のエリザベス女王(享年96)が亡くなり、チャールズ3世(73才)が新国王として即位しました。かつて彼と婚姻関係にあったダイアナ元妃と、彼女の遺品に再びスポットライトが当たっています。折しも今年は彼女の没後25年という節目の年。生涯を追ったドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』も9月30日に公開される」(英国王室に詳しいジャーナリスト)
「英国王室の最大の悲劇」といわれたダイアナ元妃の死後、彼女の遺品はたびたびオークションに出品されてきた。冒頭のネックレスと手紙は、ダイアナ元妃が亡くなった翌年のオークションで落札されたもので、現在は日本の某所に保管されている。
今回、関係者を通じて『女性セブン』がその情報を独占入手した。実はこの遺品、ほかのものとは異なる特別な意味を持つ。ダイアナ元妃は2人の息子に遺言を残していた。そこには《私のジュエリーのすべてを息子たちに分配したいと思います。そうすれば、やがてその妻たちが所有するか、使用することになるでしょう。正確な分け方についてはあなたに一任します》とあったという。
「ダイアナ元妃は素晴らしいジュエリーを数多く持っていました。自身の亡き後にその行方を遺言書に記すほど、彼女にとってジュエリーは特別なものだったようです」(前出・ジャーナリスト)
今回明らかになった遺品で注目すべきは、手紙が書かれた時期だ。便箋には、《1997.August》とある。ダイアナ元妃が交通事故で帰らぬ人となったのは1997年8月31日。つまり、この手紙は死の直前に書かれ、ネックレスとともに渡されたことになる。
「受け取ったのはダイアナ元妃が信頼していた精神科医でした。晩年の彼女は精神科医やセラピストを頼り、心のよりどころにしていた」(遺品の関係者)
ダイアナ元妃は、1981年にチャールズ皇太子(現・国王)と結婚。翌年にウイリアム王子(現・皇太子・40才)、1984年にヘンリー王子(38才)が生まれたが、幸せな時間は長続きしなかった。
「結婚早々に皇太子の女性問題を抱え、夫婦関係は冷え切りました。王室内に味方はおらず、精神的に追い詰められたダイアナ元妃は重度の過食症に陥った。体重が13kgも激減し、自殺未遂が報じられたこともありました」(前出・ジャーナリスト)
1992年に別居を公表し、4年後に離婚が成立。だが、その後も「元皇太子妃」として世間から一挙手一投足が注目され、心が安らぐ日はなかった。
「悩みを告白できるのは限られた友人や知人だったそうですが、中でも遺言書に記すほど大切なジュエリー(ネックレス)を受け取った精神科医は、特別な存在でした。
離婚後、ダイアナ元妃は顧問弁護士らに死を予言するような手紙を送っていたことが明らかになっていますが、この精神科医には“形見分け”のような具体的な行動に出ていることがわかります。これが何を意味するのか……彼女の遺品は世界中に出回っていますが、死の直前の行動がわかる数少ない遺品と言えます」(前出・遺品の関係者)
これまで、ダイアナ元妃の死は謎めいた部分も指摘されてきた。こうした遺品が、新たな真実を示すことはあるのだろうか。
※女性セブン2022年10月13日号