2020年秋にインターネットのみで公開された「業田良家の4こわ漫画」。『自虐の詩』など4コマ漫画の鬼才として知られる業田良家氏の新シリーズとして注目を集めた。当初、1日1話ずつ全20話を掲載したが、好評につき、4話分をまとめて毎週1回、再掲載する。
業田氏の代表作といえば、前出『自虐の詩』が真っ先に挙げられる。1996年に文庫化(竹書房刊・上下巻)されるとロングセラーとなり、累計部数は50万部を超える。「繰り出される4コマギャグの世界に笑っていたはずが、全4000コマ超を読み終えた時、いつの間にか感涙にむせんでいた自分に気が付く」(読者談)という、伝説の作品だ。
「業田良家の4こわ漫画」シリーズは、一見正反対に思えるが実は紙一重にある「笑い」と「恐怖」をテーマに、「怖くて笑える」4コマ漫画を目指した実験的な作品群だ。夫婦の日常における恐怖を切り取った第1話から、宇宙人から見た人類の姿を描く第2話など、第4話までだけで、業田良家氏の縦横無尽に展開するギャグワールドが堪能できる。
2023年には画業40周年を迎える業田良家氏だが、本作でフルデジタル作画の試みも始めていた。当初は手描きでペン入れしたものにデジタル上でスクリーントーンを貼るだけだったものが、ペン入れからデジタル、下書きからデジタルと、スタイルは変化してきている。本シリーズはその過程を見ることができる貴重な作品でもある。
◆第1話
◆第2話
◆第3話
◆第4話