監督が辞任を発表した球団の新監督は誰になるのか──。10月3日、ヤクルトの村上宗隆が王貞治(元巨人)の記録を抜くシーズン56号本塁打を放ち、今年のプロ野球ペナントレースは幕を閉じた。セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスが連覇を成し遂げた一方で、Bクラスに終わった広島の佐々岡真司監督、ロッテの井口資仁監督は辞任を表明した。
「広島は後任にOBを招聘するようです。“生え抜きが絶対条件”という風習はもはや巨人にしか残っていませんが、選手やコーチとしてチームに一度も関わっていない人を監督に就任させるチームは未だに少ない。かつてダイエーが王貞治氏、阪神が野村克也氏や星野仙一氏に監督を依頼しましたが、それはチームが低迷していた時のことで、例外の部類に入るでしょう。
現在のDeNA・三浦大輔監督や中日・立浪和義監督のように、球団の理想は生え抜きスターの起用です。広島もその路線でしょう。ロッテの河合克美オーナー代行兼球団社長は、次の監督について『常勝軍団を作るという共通の認識で戦ってもらえる人』と話し、白紙を強調しています。その言葉を額面通り受け取れば、中日でリーグ優勝4回の落合博満さんに頼むという選択肢もあるでしょう」(プロ野球担当記者。以下同)
落合氏は2011年限りで中日の監督を退任。2013年10月から2017年1月まで中日のゼネラルマネージャー(GM)を務め、以降は解説者として活動している。
「有能な人材で実績があるのに、どこからも声が掛っていない。落合さんは気難しい印象もあり、球団がコントロールしにくいというイメージがあるからかもしれません。しかし、それはあくまで伝え聞いた印象に過ぎないだろうし、勝つためにどうすればいいかだけを考えて邁進していく人です。本気で勝ちたいと望む球団なら落合さんの招聘に動いてもおかしくない。17年間も優勝から遠のいているロッテには最も必要な人材だと思いますけどね」
落合氏は1978年秋、東芝府中からドラフト3位でロッテ・オリオンズに入団。2年目に頭角を現し、3年目に首位打者を獲得。1982年、1985年、1986年と3度の三冠王に輝いた。その後、トレードで中日、FAで巨人に移籍し、最後は日本ハムで1998年に現役生活を終えた。
「今年の12球団の監督を見渡すと、現役時代に一度も所属していないチームで指揮を執っているのは、楽天の石井一久監督だけです。それもGMを経てから現場に復帰しています。各球団がどこまで意識しているかわかりませんが、未だに現役中にそのチームのユニフォームを着たかどうかは大きな要素になっている。そういう意味では、落合さんはロッテを代表する選手でしたからね」