仕事も結婚も、それぞれのペースでしか進まないと理解していても、わが子のこととなれば心配を募らせるのが親心。百恵さんの気持ちをよそに、気ままな暮らしを送っていたはずの次男坊は──。
うだるような暑さが戻った10月初旬の週末、都内の閑静な住宅街を夜風を浴びながら手をつないで歩くカップルの姿があった。ふたりともトーンを合わせた黒のTシャツ姿で“恋人つなぎ”をする手を前後に大きく揺らし、時折顔を見合わせて、お互いにほほえみかけている。
車が近づくと、男性は女性の腰にさりげなく手を回し、車道側から白線の内側にくるよう体を引き寄せる。紳士的なエスコートを見せていたのは、俳優の三浦貴大(36才)だった──。
10月24日スタートのドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(フジテレビ系)は、長澤まさみ(35才)演じる主人公のアナウンサーが、連続殺人事件の真相を追う骨太なドラマだ。貴大は物語の鍵を握る、長澤と同期の報道記者を演じる。
三浦友和(70才)と山口百恵さん(63才)の次男として生まれた貴大は、大学卒業を目前に控えた頃、俳優の道を志した。デビュー作は2010年公開の映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』。主人公との交流を通して人間的に成長していく鉄道会社の新入社員を演じ、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
「10代の頃は、“百恵さんと友和さんの息子”として注目されることに抵抗があったようです。芸能界入りした後も、『二世俳優』と言われることは避けられなかった。ただあるときから、“七光りでも光っていないよりはマシ”という心境に至ったようで、いまはインタビューなどで両親の話題に触れることにも抵抗がないようです」(芸能関係者)
百恵さんにとって、今年はうれしいニュースが舞い込んだ。3月、長男でシンガーソングライターの三浦祐太朗(38才)と、妻で声優の牧野由依(36才)の間に長女が誕生した。
「待望の初孫の誕生に、百恵さんと友和さんは大喜びでした。特に百恵さんは本人たちには言わないものの、内心では女の子を待ち望んでいたので、喜びもひとしおだったようです。お孫さんが誕生する前からキルトを縫いすすめ、おくるみをプレゼントしました」(三浦家の知人)
初孫のお宮参りにも同行するなど、長男が着々と幸せな家庭を築いていることに百恵さんも目を細めているという。
ふたりともお酒好きでグルメ
一方で頭を抱えているのが、貴大のことだという。
「バイプレーヤーとしてのオファーは途切れないものの、デビュー当時の期待の大きさからすると、いまひとつという印象は否めません。昨年主演した映画『大綱引の恋』も、大ヒットとまではいかなかった。カメラマンとして活動したり、ゲームの配信をしたりと、好きなことをしながら仕事の幅を広げようともしていますが、いまいちブレークしきれていません」(映画関係者)
父・友和も、かつて俳優として伸び悩んだ時期があった。
「“好青年”のイメージが強すぎたために役が限られてしまい、仕事が減った。一時は自宅の売却を考えたことさえあったそうです。しかし、演技に打ち込むなかで、悪役からコミカルな役までこなせる名優になりました。世代ギャップもあるかもしれませんが、夫が俳優業にかじりつく姿を見てきただけに、百恵さんも貴大さんの本業に対する姿勢に、複雑な思いを抱いているのではないでしょうか」(前出・映画関係者)