ヨーヨーを武器に悪党と戦うヒロインの姿に、多くの子供たちが胸を躍らせた。『スケバン刑事』シリーズ3作で主人公を演じたのは、偶然にも「1985年デビュー組」だった。時代を駆け抜けたアイドルたちが、「ライバル」から「盟友」に変わるまで──。
かつて、お茶の間を席巻したヒロインたちの“奇跡の共演”が話題を呼んでいる。9月末、浅香唯(52才)がインスタグラムで公開したのは『スケバン刑事』シリーズ(フジテレビ系)で主人公のバトンをつないだ3人の姿。10月9日放送の歌番組『霜降り明星のゴールデン☆80’S』(BSフジ)に、斉藤由貴(56才)、南野陽子(55才)と共に出演する。
「ドラマの裏話が語られるほか、それぞれが自身のヒット曲を披露する。ドラマで使った小道具なども登場するようです」(テレビ局関係者)
『スケバン刑事』は、1985年から放送された大ヒットドラマシリーズだ。ヨーヨーを武器に敵に立ち向かう“女子高生刑事”の麻宮サキが主人公で、初代を演じたのが斉藤だった。当時について、レコード会社関係者が振り返る。
「デビューのきっかけになった、『東宝シンデレラオーディション』に応募したのは彼女の母親でした。娘の内向的な性格を心配してのことだったそうです」
イラストや詩を書くのが趣味で、同級生をどこかさめた目で見ているような女の子。デビュー曲『卒業』は彼女の持つ雰囲気とマッチし、30万枚を超えるヒットとなった。一方、初主演作の『スケバン刑事』はハードな経験だった。
「物静かな斉藤さんにとって、スケバンの所作やクールで乱暴な口調はまったく自分にない要素だった。役に違和感を感じていたそうです」(前出・レコード会社関係者)
斉藤とは反対に、進んで役を勝ち取ったのが南野だった。友達と大阪で遊んでいるところをスカウトされた南野は、高校2年生で上京。周囲が売り込みを事務所に任せるなか、自らテレビ局に足を運んだ。
「制服のままテレビ局のドラマ制作部を訪れ、スタッフを見つけて挨拶をしていた。2代目の座を射止めたのも、局内でスタッフの目に留まったのがきっかけだったといわれています」(当時を知る芸能記者)
土佐弁の「おまんら許さんぜよ」がサキの決めぜりふだった第2シリーズは話題を呼び、約1年間の長期放送に。最終回の視聴率は19%を超えた。
斉藤、南野と人気アイドルの出世作となった作品とあって、3代目に誰をキャスティングするかはスタッフを悩ませた。マンネリを避けるため、探したのは“山猿のような子”。そこに現れたのが、宮崎出身で天真爛漫な浅香だった。