20年ほど前、教育バラエティ番組『世界一受けたい授業』(日本テレビ)や子供向けバラエティ番組『おはスタ』(テレビ東京)などで活躍していた、丸ぽちゃ体型にメガネの男の子がいた。“細山クン”こと細山貴嶺(たかね)さん(27)だ。蝶ネクタイにサスペンダーといったオシャレな衣装が、ちょっと生意気なお坊っちゃまキャラによく似合っていた。今ではすっかりテレビで見なくなってしまったが、細山さんのその後はどうなっているのだろうか。東京都内で細山さんに会って話を聞いた。
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27歳になった細山さんは、誰だかわからないほどスッキリと痩せていた。本当にあの細山クン!? 格好いい、爽やかイケメンに変身している。
「ピークの体重は108キロあったのですが、中学3年のときに一念発起してダイエットを始め、ランニングなどの運動と食事制限、レコーディング(食事の記録)で、高校1年のときには夏休みの2か月で30キロ落としました。夏休みが明けて登校したら、『転入生がいる』と思われたほど容姿が変わって(笑い)。その後、63キロまで落としたのに、大学受験のストレスで80キロ台まで増え、入学後にまたダイエットして……などと激しく増減を繰り返し、今は173センチ、58キロです」
両親の方針で小学校からインターナショナルスクールに通い、大学は慶應義塾の法学部政治学科に見事、現役合格。高学歴でこの容姿、しかも元芸能人となれば、大学時代はモテてしょうがなかったに違いない。
「全然モテませんでした(笑い)。モテたい気持ちもあってダイエットしたので、期待していたんですけどね。大学時代は合コンも一度も行きませんでした。僕はガツガツしていない草食系で奥手だし、どちらかというと3枚目キャラなので、どうも女性には男の子として認識されないタイプみたいです」
大学時代にはカリフォルニア大学サンディエゴ校に1年留学。もともと英語は得意なうえ、さらに磨きをかけた。帰国後は大学卒業と同時に芸能界を引退し、米国系金融機関、ゴールドマン・サックス(GS)証券に就職。六本木ヒルズで英語を駆使して働く、バリバリのエリートビジネスマンに変身していたのだ。
「オペレーションズ部門(業務統括本部)で日本国債の決済などの業務を担当していました。ただ、3年弱で外資系生命保険会社傘下の資産運用会社に転職したんです。GSではバックオフィス業務(後方支援)だったので、トレーダーやリサーチ、セールスなど顧客と関わるフロント職で、実際にビジネスを動かす仕事をしたいと思い、在籍中に米国証券アナリスト(CFA)の1次試験に合格しました。
ところが、GSでは試験で学んだことを活かすことができず、活かせる仕事がしたいなあと思っていたところ、エージェントから声をかけていただいたんです。資産運用会社では証券アナリストとして大企業などの資産運用を手がけ、年収はGS時代の910万円から950万円に上がり、直近では1000万円以上でした」