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楽天・石井一久監督 Bクラス低迷でも続投で「暗黒時代」到来への危惧も

ファンにとってはストレスがたまるシーズンだった(時事通信フォト)

ファンにとってはストレスがたまるシーズンだった(時事通信フォト)

 ロッテ・井口資仁監督が今季限りでの電撃退任を発表し、6年間で2度のリーグ優勝を達成した西武・辻発彦監督もCS・ファーストステージでソフトバンクに敗退し、退任を発表した。

 チームの再構築に向けて各球団フロントの思惑がある中で、楽天の決断は吉と出るだろうか。今季2年ぶりのBクラスとなった石井一久監督が就任3年目の来季も続投することが、明らかになった。

 今季は球団新記録の11連勝を飾るなど開幕ダッシュに成功。貯金18まで増やしたが6月以降に失速。優勝争いから脱落すると、3位争いも西武に競り負けてCS進出を逃した。69勝71敗3分で借金2。貯金18あったチームが借金生活でフィニッシュするのはNPB史上初だった。

 楽天を取材する記者は敗因について、こう語る。

「石井監督はベテラン偏重の起用法なので、若手が伸びてこない。田中将大、則本昂大、岸孝之、涌井秀章らの実績は申し分ないですが、いまの能力では貯金を多く作れるほどの投手ではない。打線も岡島豪郎、鈴木大地、西川遥輝を結果が出てない時期も外さずに我慢強く使い続けていた。彼らの復調を待つなら、若手を使ってほしかった。中、長期的に見ても生え抜きのスター選手が育ってこなければ、リーグ優勝は狙えない。今オフはFA権を取得した田中、浅村の慰留に全力を注ぐ方針ですが、彼らが残っても今のチーム作りでは劇的な変化が見込めない。来年も下位に低迷し、“暗黒時代”に突入する可能性があります」

 リーグ優勝を飾ったオリックスは絶対的エース・山本由伸を筆頭に、左腕エース・宮城大弥、大型遊撃手の紅林弘太郎とチームの核になる選手が順調に育っている。ソフトバンクも三森大貴、柳町達、野村勇、正木智也らイキのいい若手が台頭している。一方、楽天はどうだろうか。若手が伸び悩んでいるという現状に対し、他球団のスコアラーは反論する。

「投打で好素材が一番多いのが楽天ですよ。松井友飛、高田孝一は先発ローテーションで使い続ける価値がある投手です。野手も武藤敦貴、渡邊佳明、小郷裕哉、黒川史陽はファームのレベルの選手ではない。1軍で使い続ければもっと伸びるし、レギュラーとして長年稼働できる。もったいないですね」

 1軍は結果が出ないシーズンが続いているが、ファームは違う。今季は春先から首位を独走し、10月8日のファーム日本選手権で阪神を下して頂点に輝くなど、3年で2度の日本一に輝いている。将来を嘱望される若手が不足しているわけではない。

 石井監督は2018年9月にGMに就任し、昨年から史上初の取締役GM兼監督として指揮をとっている。目立つのは派手な補強劇だ。FA権を行使した浅村、鈴木大を他球団との争奪戦の末に獲得し、涌井を電撃金銭トレード、日本球界復帰した牧田和久の補強に成功。田中将も2021年にメジャーから復帰し、昨オフは日本ハムを退団した西川を獲得した。

 実績あるスター選手たちの加入はメリットばかりではない。ポジションが重なる若手は出場機会が奪われ、成長が阻まれる。結果が出ればファンを納得させられるが、昨年は3位、今季は4位とチームに停滞ムードが漂う。

 仙台のテレビ関係者は、「石井監督のチーム作りに批判的な見方を示している楽天ファンも少なくない。野村克也監督、星野仙一監督は外部補強をしながらも、チームの中心になる生え抜きの若手をきっちり育てていた。来季も結果が出ないようだと崖っぷちでしょう」と指摘する。

 救援で頭角を現した鈴木翔天、宮森智志ら若い選手たちがベテランを押しのけてこそ、チームの未来が見えてくる。石井監督は「常勝軍団」の道筋を描けるだろうか。

田中にも笑顔がない(時事通信フォト)

田中にも笑顔がない(時事通信フォト)

浅村栄斗はFAの目玉の一人(時事通信フォト)

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則本がチーム唯一の2桁勝利(時事通信フォト)

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