臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、第73回NHK紅白歌合戦の司会への橋本環奈(23才)起用について。
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“NHK紅白司会 大泉洋と橋本環奈”という10日に報じられたネットニュースを、しばし凝視してしまった。橋本さんとNHKがなかなか結びつかず、降って湧いたような起用に驚いたからだが、画面で彼女の写真を注視している自分は、まるで「期待違反法」の実験を受けた乳児みたいだなと思った。
NHKが10日、大みそか恒例「第73回紅白歌合戦」の司会として、橋本さんを起用すると発表した。一緒に司会を務める大泉さん(49才)は3年連続で、今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で初代鎌倉殿となった源頼朝を好演していたのだから、順当なところだ。NHKからは、今回で紅白の司会が4回目となる桑子真帆アナ(35才)が出演し、スペシャルナビゲーターには桜井翔さん(40才)が起用される。嵐として5回、個人として過去2回司会を務めている桜井さんは、進行にも慣れているのだろう。
ここ数年、紅白の司会は、NHKのドラマに出演するか出演予定がある女優が選ばれてきたというのは、誰もが知るところだ。私の頭の中にも、その方程式が出来上がっていた。昨年は大河ドラマに出演し朝ドラに出演予定だった川口春奈さん(27才)だし、その前年は朝ドラ女優の二階堂ふみさん(28才)だった。なぜ大河にも朝ドラにも出演していない、司会初挑戦という橋本さんなのだろう。
人は予測や期待と反する事象にあった時、その事象に驚いて長く注視する傾向がある。この現象を利用したのが「期待違反法」で、乳児がその事象をどれぐらい注視するかによって、予測や期待を持っているかを調べるという実験法だ。”NHK紅白司会”の文字を見た瞬間、2人の顔が次々に思い浮かんだ。最初の1人は朝ドラ「ちむどんどん」の主演を演じた黒島結菜さん(25才)。次に浮かんだのは「鎌倉殿の13人」で北条政子を演じている小池栄子さん(41才)。