クリスマスの12月25日に投開票となる宮崎県知事選に“第3の男”が登場した。「さくらパパ」こと横峯良郎氏(62)だ。宮崎県知事選には現職で4選を目指す河野俊嗣氏(58)、前知事の東国原英夫氏(65)がすでに出馬表明をしており、そこに割って入るかたちの出馬会見だった。
10月13日、宮崎市内のホテルで行なわれた出馬会見には、地元メディア約30人、カメラ3台が駆け付けた。
「東国原さんには期待していたが、出馬会見を見てがっかりした。宮崎県の異常事態をまったく理解していない。すべてがきれいごとに聞こえた。私の手で宮崎県を再建したいと思った」
「宮崎県の最低賃金は821円だった。これがようやく今月から853円になった。私なら1300円にしてみせる」
といった具合に出馬のきっかけや公約を一通り話すと、すぐに質疑応答となった。そこは「本音」が通常モードのさくらパパ。馴染みがある運動部の記者ではなく社会部の記者ということで大ウケとはいかなかったが、記者が何度も聞き直すような仰天発言が次々に飛び出した。
今回の出馬会見は奇しくも東国原氏と同じホテルの同じ部屋で行なわれた。東国原氏を意識してのことかと聞かれると、「いやいや、市内のホテルで料金が一番安かったのよ」と即答。記者は次の質問に窮してしまっていた。
出馬にあたって政党の推薦や組織の後援について質問が飛ぶと、「選挙ではポスターもないし、街宣車も走らせない。政党の推薦もなければ、組織もない。政党も関係ない、個人として出る」と応じる。さらに、「私が出て勝てるとは思っていないが、割って入ることで前回の33.9%(2018年)の投票率を、東国原さんが出馬した64.9%(2007年)を上回る数字にしてみせる。横峯が変えてくれるのではないかということを県民の皆様に気づいてほしい」と発言した。
これには記者も反応して、「勝てると思っていないのになぜ出るのか。勝てない候補に投票すると思っているのか」とすかさずツッコミが入った。「勝てると思っていない」という発言はさすがに率直すぎたのか、横峯氏はそこには触れずに「県民の3人に1人は65歳以上。私が発することを聞いて、危機感を持ってほしい」と答えた。