運動も食事も、毎日の積み重ねが後に大きな差を生む。ひとつの食材をとっても同じだろう。なかでも「油」は質の違いが、美容や健康面に影響を与えるという。専門家も太鼓判を押す、「本当に体にいい油」とは──。
10月に入って気温がガクンと下がり、寒さと乾燥で肌のカサつきを感じている人も多いだろう。この季節、注目すべきは「食用油」だ。日本抗加齢医学会専門医の高取優二さんは「冬の肌トラブルは、簡単な方法で解決できる」と話す。
「細胞膜や肌を守る皮脂の材料となるのは、皆さんが普段口にしている油です。質のよい油を摂取すると、皮膚を守っている皮脂の質もよくなり、肌のバリア機能がアップする。一般的に油と聞くと、“美容や健康の敵”というイメージがありますが、実は間違った考え方。肌の水分量が低下する40代以降は、“油断ち”は逆効果なんです」
そもそも油(=脂質)は体にとって不可欠な栄養素で、たんぱく質、炭水化物とともに「三大栄養素」の1つに数えられる。なかでも体内で作ることができない「必須脂肪酸」は、細胞膜やホルモンの生成に欠かせない。必須脂肪酸を摂取しなければ、免疫不全や脱毛、血栓ができやすくなるなど、健康面に悪影響が出るという。
美容や健康のためには、「本当に体にいい油」を選ぶ必要がある。トップ女優たちは“油の新常識”にいち早く気づいているようだ。
美の秘訣として、「ごま油」を挙げるのは、米倉涼子(47才)だ。
「豆腐やナムルなどにかけたり、ドレッシングとしてそのまま野菜にかけたりと、いろいろな使い方をしているそうです。お気に入りは味と香りが強いタイプのもので、“私、かなり消費量が高いので”とごま油愛を明かしていました」(スタイリスト)
若い世代からも美のカリスマとして視線を集める、田中みな実(35才)もごま油にハマったひとり。わざわざ韓国から「ソルソルソウル」という商品を取り寄せているという。
「彼女はスラリとしたスタイルをキープしていますが、実は大の白米好き。一度に2合平らげることもあるとか。ご飯に明太子や薬味をのせ、ごま油をかけるのが定番のようです」(美容雑誌編集者)
油の主成分である「脂肪酸」は、肉などに含まれる「飽和脂肪酸」と、植物性の「不飽和脂肪酸」に分けられる。
一般的に、飽和脂肪酸は悪玉コレテスロールを増やし、心筋梗塞や動脈硬化などのリスクを高める。一方で、不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにする。美肌やアンチエイジングのためには、不飽和脂肪酸を選ぶべきで、ごま油もその1つだ。
「ごま油は、不飽和脂肪酸のなかでも、リノール酸など『オメガ6』と呼ばれる必須脂肪酸を含んでいます。香りが強いので、塩分など余計な味つけをしなくていいのもメリットでしょう」(高取さん)