今シーズン、クライマックスシリーズにすら進めなかった巨人。続投が決まった原辰徳監督(64)は早速、新チーム作りに勤しんでいる。
秋季練習がスタートした10月10日に報道陣に対応し、「休養はもう与えた。世の中そんなに甘くないよね」とコメント。レギュラークラスが軒並み顔を揃え、ウォーカー(30)が助っ人外国人としては異例の秋季練習参加となったのも、原監督の提案だとされている。
コーチ陣は大幅な刷新を敢行した。村田修一・一軍打撃兼内野守備コーチほか6人のコーチが今季限りで退任。川相昌弘ファーム総監督が一軍の総合コーチとなるなどの人事が発表された。
ただ、このコーチングスタッフに対しての不安の声は少なくない。巨人V9戦士で引退後は西武や横浜でヘッドコーチを務めた黒江透修氏はこう語る。
「コーチのメンツを入れ替えるだけでなく、意識も変えなきゃダメです。特に今のジャイアンツはヘッドコーチの役割を勘違いしているんじゃないかと思うよ。元木大介が3年間ヘッドコーチを務めていたが、本来そのポジションにある人は監督代行という気持ちで監督と密に連携し、それを選手に伝える役でなければならない。元木はそれができていないから、チームが一丸になれなかった。阿部がそうならないようにしないとジャイアンツは変わらない」
阿部慎之助・新ヘッドコーチには乗り越えるべき課題がほかにもあるという。スポーツ紙記者が語る。
「阿部さんは二軍監督時代から選手への“当たり”が厳しすぎると言われていた。若い選手は委縮してしまい、心が離れる選手もいた。ヘッドコーチは監督と選手の橋渡し役ですから、阿部さんが今のまま高圧的な態度で選手と向き合うようだとチームがバラバラになる懸念がある」
チーム再建に向けて原監督は「投手陣の強化」を優先事項に挙げている。今シーズンの巨人のチーム防御率は、3.69とリーグワーストだ。