巨人・原辰徳監督(64)は続投が決まるやいなや、新チーム作りに勤しんでいる。コーチ陣は大幅な刷新を敢行したが、当然ながら、「大型補強」の行方についても注目が集まる。
ただでさえ今オフは西武の森友哉(27)、阪神の西勇輝(31)、日ハムの近藤健介(29)ら大物選手がFA権を有していて、移籍市場が騒がしい。
巨人はFAでの補強がお家芸と言われるが、森については5年20億円の大型契約を用意しているとも報じられた。
「打てる捕手つまり“第2の阿部慎之助”として魅力的なのは間違いないが、森は関西志向なのでオリックスで決まりじゃないでしょうか。茶髪、ひげが禁止の巨人のチームカラーに森は合わない」(スポーツ紙記者)
投手陣強化が今の巨人の最重要課題なだけに、補強は投手にしぼるという見方も根強い。
「阪神からのFA移籍は前例がないが、西は黒髪に染め、巨人と両思いと言われているから獲得もあるでしょう。レンジャーズ3Aの有原航平(30)も調査しているらしいが、右肩を故障して球に全盛期のキレがないため、獲得してもどう活かせるかはわからない」(同前)
試行錯誤を重ねても、王座復権への道筋は険しそうだ。『監督原辰徳研究』の著書がある野球評論家・江本孟紀氏はこう一喝する。
「今の原監督は何をやっても批判の対象になる。気の毒といえば気の毒ですが、補強よりも内部で鍛えるしかない。野手も投手も鍛え方が足りない。これは明らかです。このオフに原監督がやらなければならないのは、若手への切り替えです。
野手は坂本勇人(33)、中島宏之(40)、丸佳浩(33)、投手では菅野智之(33)もベテラン。先発陣の若手でメドが立っているのは戸郷翔征(22)ぐらいで、あと4人ほど柱を若手で作らないといけない。打線も岡本和真(26)を一人前にできるかどうか。それができないと苦しい1年になると思うね」
原監督の下で、栄光を取り戻せるのか。
※週刊ポスト2022年10月28日号