日本循環器学会認定専門医である東丸貴信医師(東邦大学名誉教授)。加齢とともに進行する「動脈硬化」は健康リスクだが、東丸医師は「80歳でも改善は可能だ」と言う。
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心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす動脈硬化は加齢とともに進みますが、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病、喫煙、メタボリックシンドロームなどによっても進行します。
動脈硬化になると、血管が硬くなり、血管内壁に動脈硬化巣(プラーク)が生じて血管が狭くなっていきます。
生活習慣病が一つでもあれば、年齢が20代でも動脈硬化は進みます。しかし、逆に65歳以上でも、生活習慣の改善によって、動脈硬化の進行をある程度抑えることは可能です。
そのなかで、比較的簡単に取り入れられるのが「食事の改善」です。
血管の健康を保つために必要なたんぱく質は「1日60g」が目安です。
食品で摂る場合の1日の目安は、肉類なら薄切り2枚と魚類1切れ、卵1個、豆腐4分の1丁または納豆1パックです。具体的には、朝食に卵と納豆を食べたら、昼食に魚1切れ、夕食に肉類を食べれば目安に達します。
体質によって、肉類を多めに摂ってもコレステロール値が上がらない人もいれば、少しだけでも上がる人もいます。鶏の胸肉や豚、牛のフィレ肉は動脈硬化に悪影響はないのでお勧めです。
高齢になってコレステロールの摂取を抑えようとすると、かえって栄養バランスを崩しかねないので注意が必要です。
魚を摂るならイワシやサンマなどの青魚が一番です。必須脂肪酸の一種であるDHAやEPAを多く含み、動脈硬化と血栓症を予防する効果が期待できます。
野菜は多めに摂りましょう。コレステロールの吸収を抑え、動脈硬化に関係する腸内細菌環境を改善させる。抗炎症作用、血糖低下作用も期待でき、野菜を毎日摂取することで心臓・血管病をある程度予防できることが知られています。