その時の政権が国民のために仕事ができるかどうかは、総理を支える側近たちの能力に負うところが大きい。その意味で総理の最も重要な資質は、「人を見る目」とも言える。だが、現政権中枢の“岸田殿の13人”はいずれも粗が多く、早くも“官邸崩壊”状態なのだ。
13人の側近のうち、「最大の戦犯」と見られているのが岸田首相の腹心、【1】木原誠二・官房副長官だ。財務官僚出身の政策通として鳴らし、岸田派では「新しい資本主義」など首相の政権構想づくりの中心となって岸田内閣発足とともに政務担当の官房副長官に起用された。
「総理の信頼が最も厚い人物で、国政全般に舵取り役を担っている」(官邸スタッフ)と言われる。
だが、その手腕には疑問符がつく。政務の官房副長官は衆参から1人ずつ選ばれ、官邸で衆院の国会運営は木原氏の担当だ。そこで大きなポカをやらかした。
10月17日から予算委員会の審議が行なわれ、岸田首相は野党から旧統一教会問題を追及されて集中砲火を浴びている。
「臨時国会は10月3日に召集され、総理の所信表明演説と与野党の代表質問は7日に終わった。本来なら連休明けの11日から予算委員会が開かれるはずだったのに、17日にずれこんだ。
原因は鈴木俊一・財務相の訪米(G20会合出席)で、予算委員会は全閣僚出席の原則があるため、帰国するまで開催できない。外遊は事前に決まっていたから、臨時国会の召集を後ろにずらすなり、野党を説得して財務相抜きでの審議を認めさせる必要があったが、何も考えていなかった」(同前)
臨時国会の会期は69日間と短かく、この空白は法案審議に影響する。政府は提出する法案を減らし、私立学校法改正案などの提出が見送られた。
旧統一教会問題でも、木原氏は政権の足を引っ張っている。自民党調査で公表された121人に木原氏の名前はなかったが、後に、教団の関連団体主催のパネルディスカッションに出席していたことが発覚し、追加報告を出した。