地域に根付き、町の人たちの胃袋を満たしてきた「町中華」。古きよき昭和の雰囲気を守りながら、安くておいしくてボリュームも満点な中華料理店が脚光を浴びています。しかし、美味しい店を探し出すのは至難の業。そこで、「サインの多い店」というキーワードを便りに、町中華の名店を探してみました。
【サイン色紙のあるお店を教えてくれた人】
町中華探検隊(北尾トロ、半澤則吉、下関マグロ)/町中華の閉店が相次ぐなか、食文化としての町中華を守り、考察し記録するために、隊長・北尾トロ、副隊長・下関マグロが2014年に結成。著書に『町中華探検隊がゆく!』(交通新聞社)など。
●東海飯店(東京・浜松町)
東京・浜松町にある『東海飯店』には芸能人のサイン色紙がズラリ。レジ横にはサイン第1号の有名俳優の色紙が大切に飾られている。1995年に中国人の父が創業し、現在は息子の翁さんと姉、妹の3人で味を守る。
「父は時給500円の皿洗いから、子供たち6人を育てた苦労人で、台湾の点心師から教わった餃子がうちの人気No.1。9割のお客さんが注文されますよ」(翁さん)。
住所:東京都港区芝大門2-4-18 東海飯店ビル
営業時間:11:00~15:15、17:00~22:30(日・祝は~21:30)
店休日:土
●光栄軒(東京・荒川)
店主の浅見寛さん(70)は中学卒業後、叔父が営む中華料理店で修業し、昭和52年に独立。中華鍋をふるい続けて55年の職人だ。
部活帰りの高校生の「もっと食べたい!」という声に応え、米5合(!)で作るチャーハンの特盛り(1200円)は「ヘルメットチャーハン」と呼ばれるほど。今年9月に34年ぶりに値上げしたラーメンは、450円から550円になったが、それでも破格の安さ。どのメニューもボリューム満点で「お客さんに喜んでほしい」という大将の粋であふれている。
■光栄軒
住所:東京都荒川区荒川2-4-3
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:00(火~金)、11:00~20:00(土・日・祝)
店休日:月