ライフ

かかりつけ医、執刀医の“正しい選び方” 上昌広医師「学歴だけで決めるのは危険」

かかりつけ医、執刀医を選ぶときのポイントは?(医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏)

かかりつけ医、執刀医を選ぶときのポイントは?(医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏)

 国立がんセンターの元研究員で現在は医療と社会の問題を検証する医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏。上氏は、東大医学部卒ながら、「学歴だけで医者を選ぶのは危険だ」と語る。

 * * *
「いい医者」というのは学歴だけでは分かりません。まず患者さんが接する医者は、「かかりつけ医」として日々関わる医師と、いざという時に高度な医療・技術を施す医師とを別に考えなければいけません。

 かかりつけ医(開業医)の観点で言えば、大事なのは医師が持つ「ネットワーク」です。

 診察をするなかで、いざという時に必要なところに必要な“ツテ”を使って最善の医療が受けられる病院に押し込んでくれるかどうか。つまり、「紹介状」を適切に出してくれるかどうかが大事になるわけです。

 高齢の患者さんが抱える病気は一つに限りません。帯状疱疹になればペインクリニックに紹介しないといけないし、がんになれば手術ができる病院に紹介する。ネットワークが多い医師ならば、患者さんの行動範囲や病状、要望などを聞き、一番理想的なところに紹介できます。

 ちなみに紹介状は病院宛ではなく、医師宛に書きます。患者さんから医師をリクエストすることはできますが、予約が取れなければ、他に回されることもあり得る。大病院のエース医師は常に予約が埋まっているので、かかりつけ医の人脈次第の面があるのです。

 そういう視点でかかりつけ医選びを考えると、東大医学部卒の医師はメリットが期待できます。

手術の腕は「執刀数」

 そもそも東京大学に入るには、バランスよく高得点を取る必要がある。若いうちから才能が目立つ医師は、手術の腕など、何か一つのことに秀でている人が多いですが、そうした医師は東大医学部に限らず、私大の医学部出身にもいます。

 しかし、医師としてのキャリアを重ねて50代以降になると、総合力が問われるようになります。つまり、患者さんの立場になって適切な医療を提供できるかが問われる。患者を別の医師に紹介する場面では、東大医学部出身のような肩書きのある人は、歴史ある大学が持つ縦と横のネットワークが活かせるケースが多いのです。

 一方、大病を患ったり、手術を要する病気の際に患者さんが病院や医者を選ぶ時は話が変わります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン