これまで弔いは親族が一堂に会し、宗派ごとに葬儀を行い、墓を建て、法要するのが一般的であった。しかし人々の価値観が細分化され、弔いの方法もさまざまになった。現在、令和の時代にある多種多様の葬送の形を紹介する。
少子高齢化の進む日本では、故人の送り方を見直す動きが加速している。
「参列者の数を抑える施主は、コロナ前から増えていました」(ドライブスルー葬儀を行なう上田南愛昇殿・久保田哲雄氏)
2000年代以降は地域との繋がりも薄れ、核家族化が当たり前になり、家族や友人での小規模な「家族葬」を行なう家族が多くなった。
従来の墓石に対する考え方にも変化が生じた。
「子がなく、墓守がいない。その結果、墓じまいが増え、継承不要な自然葬の需要が増えました」(海洋散骨を行なう琉宮海葬・甲斐浩司氏)
従来の葬儀の形式に囚われることがなくなり、葬儀の選択肢が増えた。自然葬や直葬、納骨堂の利用が増え、技術の進化によりVRやリモートなどの遠隔地からの葬儀も可能になった。
故人を偲ぶ思いは変わらないが、弔いの形は社会や時代とともに変化し続ける。
●LED納骨堂 永代供養納骨堂 琉璃殿
志納金 75万円~、分骨プラン19万円~(永代使用料、墓石等すべて含む)
【問い合わせ】日蓮宗正定山 幸國寺
【住所】東京都新宿区原町2-20
古代ガラス製法の2046の仏像(琉璃基)が1人にひとつ割り当てられる。中央の端末にIDカードをかざすと、お参りする故人の琉璃基が光り場所がわかる。琉璃基の裏に納骨収蔵庫がある。ライティングのパターンは季節や時期に合わせて変化する。現在は不定期に利用者を少数募集している。
●プロジェクション・マッピング葬
坂戸法要殿(ほか飯能法要殿、本町法要殿、日高法要殿、入間法要殿でも対応)
【問い合わせ】法要殿
プロジェクターから祭壇に立体的な映像を投影するプロジェクション・マッピングは、故人の思い入れのある土地や憧れのシチュエーションなどを投影することも可能。