ライフ

和田秀樹医師が提唱する新・健康常識「高齢者は無理に禁煙する必要はない」

2020年4月から改正健康増進法れにより、室内での喫煙は原則禁止となり、屋外の喫煙所に喫煙者が集うようになった(イメージ、時事通信フォト)

高齢者は無理に禁煙しなくてもいい?(イメージ、時事通信フォト)

「医者が言うから」「数値が悪いから」と、あなたがこれまで信じてきた健康法を、東大出身の精神科医が真っ向から否定。“80歳の壁”を乗り越えて元気でいるためにはまず、医者や病院を疑うことだ。健康長寿を手に入れるには、体を動かすことと休めることの両方が求められる。だが過度な運動は禁物だ。精神科医で老年医学の専門家の和田秀樹さん(62才)が言う。

「運動をやらないことも問題ですが、やりすぎてしまうことも避けるべき。過度な運動は、体内で活性酸素をつくりすぎ、体を酸化させます。スポーツはメタボ対策になり、体にいいといわれてきましたが、60代以上の激しい運動は老化を促進してしまうのです」

 和田さんがすすめるのは「屋外の穏やかな散歩」だ。

「60才以降に習慣にしてもらいたいのは屋外の散歩です。歩くことは足の老化予防だけでなく、心臓のポンプ機能も強化し、脳や体の隅々の細胞に充分な量の血液を送ることにつながります。

 また、屋外で日光を浴びると、『幸せホルモン』と呼ばれる神経伝達物質のセロトニンが分泌され、心身が安定します。なお歩数は『1日1万歩が目標』との声を聞きますが、高齢者がそこまでがんばる必要はない。1日30分、最低3000歩をめざしてほしい」

 疲れた体に休息を与え、さまざまな機能をリセットする睡眠も健康には重要とされるが、和田さんは「無理して眠る必要はない」と指摘する。

「高齢になるほど深い睡眠が減って熟睡できなくなります。しかし、そもそも不眠で死ぬことはなく、体を横たえていたら本人は寝てないと思っても入眠しているもの。夜眠れなければ昼寝をすればよく、高齢者には“眠くなったら寝る”というスタイルが適しています」

 百害あって一利なしといわれる喫煙にも和田さんは寛容だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
福地紘人容疑者(共同通信社)
《“闇バイト”連続強盗》「処世術やカリスマ性」でトップ1%の “エリート模範囚” に…元服役囚が明かす指示役・福地紘人容疑者(26)の服役少年時代「タイマン張ったら死んじゃった」
NEWSポストセブン
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン