韓国の音楽授賞式『2022 THE FACT MUSIC AWARDS (TMA)』が、10月8日、今年は約3年半ぶりに有観客で開催され、BTSが出演、久しぶりにパフォーマンスをしたことでも話題となった(韓国・KSPO DOME/オリンピック体操競技場)。『2030釜山国際博覧会』の誘致祈願コンサート『BTS <Yet To Come> in BUSAN』を翌週に控え、ビジュアル、パフォーマンスともに万全の仕上がりで臨んだBTSのスペシャルステージをレポート!
急きょ出演が決まったBTSに世界中が歓喜
今年6月、BTSの公式YouTube動画『リアルな防弾会食』で、「しばらくはソロ活動を中心にしていく」という方向性を発表したBTS。6月のアルバム『Proof』のリリース後は、2030年の国際博覧会誘致のための『グローバル釜山コンサート』(10月15日)以外のスケジュールが発表されていなかった中で、今回、急きょTMAへの出演が発表され、日本からも大勢のARMY(BTSファンの名称)が渡韓した。メンバー最年長のJINの兵役時期も迫っていることから、メンバー、ファン、そしてすべてのK-POPファンにとって、とても意義深いステージとなった。
JINが個人で受賞した特別な意味
今年のTMAでBTSは5年連続の大賞、合計7冠を獲得したが、特筆すべきは、「FAN N STAR チョイス賞 -個人部門-」を、JINが個人で受賞した点だ。FAN N STAR部門は100%ファン投票で決まるので、そんなタイミングのJINに向けたARMYたちの熱い気持ちの証だといえる。受賞スピーチには、JIMINとJ-HOPEがJINを神輿のように担いで登場。JINがスピーチを始めると、客席のARMYたちから「キム・ソクジン(JINの本名)」コールが沸き上がった。
FAN N STARチョイス賞 個人部門受賞<JINコメント>
こんにちは。防弾少年団のJINです。生きているとこんな日もありますね。人気の仲間たちがこんなにもいる中で、ぼくがこのような賞をいただくことができて…(「キム・ソクジン」コール起こる)。ありがとうございます、ARMYのみなさん。とにかくこの賞は、ファンの方々の1票1票、1回1回のクリックで作られていく、そんな賞ですよね。本当にみなさんにとてもとても感謝していますし、この賞をいただいたからこそ、これからの残りの活動をもっと頑張ります。ARMY、愛しています。
JUNG KOOKの歌い出しに聴き惚れる
久しぶりにステージの上に現れた7人は、全員、長めのヘアスタイルが斬新でいちだんとアーティスト感を強めていた。紫に近い濃紺や、黒のスーツをそれぞれのスタイルで着こなし、余裕の面持ちで登場。ステージはいちだんと華やかさを帯びた。
『Yet To Come』のイントロのないJUNG KOOKの歌い出しの美声はこの日も神がかっていて、のっけから鳥肌もの。続いてRMが「声、出して~!」と会場を煽る。ニューアルバム『Proof』のリード曲で、おだやかなミディアムテンポのじっくり聴かせるナンバーには、「最高に輝く瞬間はまだ来ていない」という前向きなメッセージが込められている。7人はイスに座ったまま歌い、視線、表情、手の動き、肩で曲の世界観を存分に表現する姿は、セクシーですらあった。そして大きく手を左右に振りながら、会場を一体化させた。
「ARMYへの愛情と感謝」を表現したファンソング
サブステージに移動する間、2016年にリリースされた『EPILOGUE : Young Forever』が流れると、メンバーはそれをうれしそうに聴きながら次の『For Youth』のステージがスタート。
ミドルテンポのバラードで、美しいボーカルラインと、SUGA、RM、J-HOPE 3人の、それぞれ異なる個性のラップが重なる力強さの絶妙な交錯に、デビュー9年の底力を感じさせられる。途中Vのイヤモニの調子が悪そうで、何度も耳を気にするシーンも見られたが、最後はVの低くて甘い歌声で締めくくられた。美しいパープルの照明と、「アミボム」と呼ばれるファンのペンライトが織りなす幻想的なステージとなった 。