中国共産党中央宣伝部副部長の李書磊氏が10月26日、同宣伝部長に昇格した。党中央宣伝部長は中国で世論統制などを担当する最高機関のトップ。23日の党中央委員会総会では新たに党政治局員に選任されている李氏は、これまでも習近平国家主席の最側近として重用されており、習氏が最高幹部の一員として引き上げたものとみられる。
李氏は名門、北京大学に14歳で入学し、「北京大学の神童」と呼ばれていたことはメディアなどを通じて国民に良く知られている。ネット上では「5年後は党最高幹部の政治局常務委員に昇格するのは確実だ」などの声が出ている。
中国国営の中国中央テレビは26日、全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の常務委員会に李氏が「中国共産党中央宣伝部長」の肩書で出席したと報じた。前任の宣伝部長だった黄坤明氏の新しい肩書は分かっていない。
李氏は習氏が2007年、党中央党校の校長を務めていた際、共産主義理論の教授をしており、習氏のスピーチライターとして、演説の原稿などを仕上げていたという。
李氏は行政手腕も高く評価されており2014年1月には福建省党委常務委員兼宣伝部長に就任。福建省は習近平が32歳から17年間も幹部として勤務した土地であり、李氏が同省に幹部として送り込まれたのは、習氏の強い意向が働いたためであることは間違いないとされる。
その後も北京市副市長や党中央規律検査委員会ナンバー2の同委副書記に抜擢されるなど、李氏は順調に昇進を続けてきた。李氏は現在58歳だが、今回の中央委員会総会で党政治局入りした他の23人の党政治局員はすべて60代で、李氏は最年少の政治局員となったことから、ネット上では「習氏の後継候補ナンバー1」との呼び声も高い。