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「盛岡競馬場は素晴らしかった」元騎手・蛯名正義氏が語る地方交流レースの思い出

ジョッキー時代の地方交流レースについて振り返る

ジョッキー時代の地方交流レースについて振り返る

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、地方交流レースについてお届けする。

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 今週末11月5、6日、中央のGIはお休みですが、11月3日(木・祝日)には地方交流のジャパンブリーディングファームズカップ(JBC)が行なわれます。アメリカのブリーダーズカップは2歳戦から古馬まで、芝・ダートのさまざまの距離のGIを行なうアメリカ競馬の祭典で、当初は生産者(ブリーダー)が賞金を負担していました。昨年は古馬牝馬の芝2200mでラヴズオンリーユーと、やはり古馬牝馬のダート1800mでマルシュロレーヌが日本馬として初めて勝ちましたよね。

 JBCではレディスクラシック、スプリント、クラシックと1日にダートGIが3レース行なわれます。開催は原則として地方競馬場の持ち回り。地方競馬は一時売上不振でバタバタと廃止になり、その後も不祥事などで存続の危機に立たされましたが、ここへきてネット販売が軌道に乗って上向いてきています。ネットの力ってすごいですね。

 ジョッキー時代、地方交流レースにはよく出かけていきました。最初は1992年4月、大井競馬場のGI帝王賞。2月にフェブラリーハンデで初めて重賞を勝たせてもらったラシアンゴールドで参戦しました。結果は横山典弘騎手のナリタハヤブサと1着同着。賞金はフェブラリーハンデよりよかったですよ。

 その後もファストフレンドとは船橋、川崎といった南関東だけでなく、名古屋競馬場にも行きました。ノボジャックには、南関東だけでなく北海道、盛岡、笠松、名古屋、高知から今はなくなってしまった宇都宮や高崎までいろいろな競馬場に連れて行ってもらいました。

 お手馬と遠征するだけではなく、ジョッキーの交流レースで出かけて行って、地元の馬に乗ったこともあります。こういう交流があると、お互い刺激し合ってジョッキー全体の技術が上がっていきますよね。

 土日の中央競馬の他に平日も地方に出かけて騎乗するなんて大変だと思われるかもしれないけれど、競馬に乗るならどこでも楽しみでした。幸か不幸か交通機関も整備されてきて、かなり遠くても日帰りで戻れてしまうことが多いので、その土地の美味しいものを食べたり、周辺を観光したりすることはありませんでしたが……。

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