10月31日20時、ハロウィンの夜。東京・渋谷のスクランブル交差点周辺は、コスプレ姿の男女が入り乱れ興奮のるつぼとなっていた。渋谷センター街の入り口には監視台が設置され、拡声器を持った警察官が「立ち止まらないでください! 写真を撮らないでください!」と繰り返し叫ぶも、群衆の歓声やスマホでお互いの姿を撮る様子がやむことはなかった。
目立つのは、マスクをしながらも、露出の多いコスプレ姿の女性たちだ。片手に手錠をぶら下げ、ミニスカートの制服に身を包んだ女性ふたり組は、こう話した。
「(渋谷のハロウィンは今回が)初参戦です。マスクしてるから露出しちゃっても恥ずかしくないし、いいかなって。顔はわりと隠れてるし。コロナで楽しいことあんまりなかったから、今年は想い出作りにきた」
学校の制服に身を包むマスク姿の女性は、昨年高校を卒業をしたという19歳。こちらも渋谷のハロウィンには初めて来たという。
「制服着たいと思って、やっぱここ来るでしょって。外国人の人いっぱいいるけど、みんなノリいいしテンション高いしヤバい! 高校(に通ってるときは)コロナだったから。はしゃげることは普通に最高でしょ」
往来でコスプレ姿の女性に頻繁に声をかけていた20代後半の男性は、今年のハロウィンの印象について「若い子、多いですよ」と話した。
「23時過ぎるとまた人の層も変わってくるはずだけど、この時間(20時前後)は学校帰りの“天然JK(女子高生)”も普通にいるし、今年は若い子いっぱいいるなーって印象ですね。俺は毎年来てるけど、今年は全然活気が違う。コロナ前より来てるくらいの感触。やっぱハロウィンは女の子が主役ですからね。そりゃ俺らも嬉しいっすよ!
マスク付けてる女の子は、やっぱり多いですね。『写真撮って!』って誘うと、それまでマスクしてなかった子も『ちょっと待って』ってマスクつけますよ(笑)」
コロナで文化祭や修学旅行が中止になり、学生時代ならではの“思い出作り”ができなかった若者たち。口元はマスクで隠し、身体の露出は大胆に──。コロナ明けの「ニューハロウィン」は、そんな彼女たちにとって久しぶりの“堂々とはしゃげる場所”だったからこそ、韓国・ソウルでの悲劇があってもこれだけの人が集まったのだろう。