2年連続V逸を喫した巨人が2年ぶりにFA戦線に参入しそうだ。2019年に首位打者を獲得した『打てるキャッチャー』である西武・森友哉の調査に乗り出しているという。原辰徳監督は、巨人OB岡崎郁氏のYouTubeチャンネルで「外国人にしても戦力補強にしても、非常に重要な作業です」と話すなど、補強に前向きな姿勢を見せている。
一方、15年ぶりの古巣復帰となる阪神の岡田彰布監督は、報道陣にFA選手について問われると「いや、全然考えてない。そんなん、いらんよ。せっかくチーム若なってきたのに、年寄りいらんやろ。年寄りかどうかわからんけど(笑)」と興味ないと断言した。
ライバル関係にある2つの球団の指揮官はFA補強について、真逆の発言をしている。プロ野球担当記者が話す。
「岡田監督は適材適所のFA補強なら必要だと考えているのでしょうが、まずは現有戦力をじっくり見極めたいのでしょう。監督に就任していきなり大型補強をしたら、選手は自分たちの何を知っているんだと反発するでしょうし、やる気を削がれかねない。FA選手について『そんなん、いらんよ』と言えば、レギュラーを目指している阪神の若手選手たちは希望を持てます。逆に言えば、毎年のように大型補強をしている巨人の若手選手は逆の心理状態になるのではないでしょうか」(以下同)
2005年オフの2次政権発足以降、原監督はFAで15人もの選手を獲得してきた。近年では『なんでも欲しがる』と揶揄されるが、2001年オフに長嶋茂雄監督に代わって就任した頃には、こんな発言をしていた。
〈新外国人は無理してとらなくてもいいと思っている。現有戦力で戦うのが、監督の役目だからね〉(2001年11月23日・スポーツ報知)
結局その年、野手はマルティネスに代わってクレスポ、投手はメイに代わってワズディンを獲得したが、ともに活躍はしなかった。中日からFA移籍した前田幸長は貴重な中継ぎ左腕として貢献したが、2002年就任1年目の原監督は“現有戦力”である生え抜きの若手選手も起用してチームを日本一に導いた。