NHK朝ドラ『舞いあがれ!』が好評だ。ヒロイン岩倉舞(福原遥)が大学のサークルで人力飛行機に出会い、空への憧れを募らせる……。青春真っ只中の舞を取り巻く登場人物は多彩な顔ぶれが並ぶが、劇中ではまだ明かされぬヒロインの恋の相手役に、ドラマオタクのエッセイスト小林久乃氏は幼馴染枠(梅津貴司役)で出演する赤楚衛二を推したいという。赤楚が近年見せる目覚ましい活躍の背景を、小林氏が考察する。
* * *
NHK朝ドラ『舞いあがれ!』が始まった。おそらく視聴者の関心が怒濤のごとく寄せられているのは、ヒロイン・岩倉舞(福原遥)の恋のお相手がいったい誰なのかだ。大学の先輩・刈谷博文(高杉真宙)か、登場が待たれる目黒蓮さんか。
ちなみに私の現時点での予想は、赤楚衛二さん演じる梅津貴司だ。なにせ、劇中で昭和生まれなら誰もが憧れた「イケメンの幼なじみと、家が隣同士で、2階の窓越しに話しをする」という、シチュエーション。これを体現している二人なのだ。少女漫画さながらに結ばれてほしい。
何といっても、2021年から今年にかけて大活躍だった赤楚さん。来年もまた続くのでしょうね、この人気……とニヤニヤ、あの子犬系の顔を思い出す。ふと、さらに思い出したことがある。
彼のことが広く知られた作品といえば『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(以下『チェリまほ』)』(テレビ東京系列・2020年)。冴えない主人公(赤楚)が、町田啓太さん演じる同僚の男性社員に思いを寄せられていることを知り、その思いに応えていく……という物語。日本でも近年数多く放送されるようになった、LGBT(性的マイノリティ)の恋を題材にしたドラマだ。
赤楚さん然り、それらのドラマに主演した俳優陣。皆、その後スターへの道を着々と歩いていないだろうか? これが朝ドラヒロインの恋のお相手を考えていたら着地した出来事である。ああ、ここまで長かった……。