芸能

亜希が綴った元夫・清原氏の「逮捕」「離婚」…“家族の物語”から読み取れる葛藤

 モデル・亜希(53才)が綴ったエッセイが話題を集めている。元夫・清原和博氏の逮捕や離婚についても率直な気持ちを吐露している。作家・甘糟りり子さんはどう読んだのか――。

 * * *
 1985年のプロ野球ドラフト会議の様子は今でも覚えている。その年の目玉は甲子園の大スター・清原和博。PL学園のスラッガーは巨人ファンを公言しており、巨人か阪神への入団を希望していた。読売ジャイアンツの第1回選択希望選手が読み上げられる瞬間、たいていの人は清原の名前が挙げられるものと思っていた。清原もそう信じていたはずだ。しかし、パンチョ伊藤こと伊藤一雄氏が読み上げたのは、チームメイトの桑田真澄だった。その瞬間、中継のカメラが清原にぐっと寄った。清原は呆然とした表情で首を傾げ、涙ぐんでしまった。

 桑田は早稲田大学進学を表明していたため、他の球団は指名しなかった。清原はテレビカメラの前で巨人に大きく裏切られたような形になってしまった。大スターとはいえ高校三年生の男の子にとっては残酷なことをするなあとファンというわけではない私でも思った。

 清原は西武ライオンズに入団し、1987年の日本シリーズで宿敵・巨人に勝って日本一になった。最終回、一塁の守備についていた清原は試合が終了する前に涙ぐんでいた。感極まったためといわれている。豪快なイメージとは裏腹に繊細な人なのだろう。弱いともいえるけれど。

 前置きが長くなったが、先日刊行された亜希さんの『家 ごはんと野球』(CCCメディアハウス)という本を手に取った。彼女はモデルであり、今や自身のファッションブランドのディレクターでもあるが、女性ファッション誌を読まない層には「清原の奥さん」という印象が今でも強いだろう。亜希さんは2000年に清原と結婚、2014年に離婚。2016年芸名を亜希にする前は清原亜希として活動していた。

 本はインスタグラムにアップされた写真と書き込みが中心で、料理好きでも知られる彼女らしく日々のお弁当にまつわるものが多いが、ところどころに書き下ろしのコラムが挟まれている。そこには「離婚」「逮捕」「義母」といったタイトルが並ぶ。どれもそう長くはない文章だが、彼女の葛藤が読み取れる。

 他にはない物語がある。プロ野球の大スターと結婚して、息子二人は名門校に入学し、父と同じ野球を始めだが、夫の女性問題やら家庭内暴力やらいろいろと報道され、離婚、ほどなくしてその元夫が覚醒剤で逮捕、芸名から苗字を外した。そんな半生に葛藤がないわけはない。並大抵の葛藤ではないはずだ。だって、「大スターの奥様」からの「元夫が覚醒剤で逮捕」だもの。息子たちが通う名門校での風当たりも相当なものだったのではないだろうか。

 亜希さんのモデルやファッションといういわば実態のないイメージを売る商売では「元夫が覚醒剤で逮捕」という現実はできれば触れたくないものだろう。芸名から清原性を外したのもそうした配慮かと思っていた。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン