今年6月、東京・歌舞伎町の「トー横」(新宿東宝ビル横)と呼ばれる一角で知り合った16歳の少女にみだらな行為をしたとして、警視庁に逮捕・起訴されていた小川雅朝被告が、東京拘置所の自室で死亡していたことがわかった。小川被告は自らを「ハウル・カラシニコフ」と名乗り、昨年冬ごろから「歌舞伎町卍會」の代表として炊き出しなどの活動をしていた。一方で、新宿区の自宅で少女に淫行を働いた容疑で、今月22日には東京地裁で初公判が予定されていた。
昨年12月中旬、直前に発生した歌舞伎町ビル殺人事件をきっかけに、「トー横」にたむろする行き場のない少年・少女がメディアに大きく取り上げられた。ちょうどその時期、広場に訪れる記者に積極的に声をかけ、「トー横の窓口」になっていたのが「ハウル」こと小川被告だった。小川被告は当時の本誌の取材に対し、自作のパスタを振る舞いながら自分の“夢”を流暢に語っていた。
「ここは、未成年ってわかってて女の子に援交の話を持ちかける、ロクでもないクソみたいな大人が多すぎるんですよ。そんなヤツらをオレら(歌舞伎町卍會)は“出禁”にしてるんです。『来んな!』みたいな。拳でわからせることも全然あるし、おかげでこのあたりマジで平和になりました。
オレ、生まれた時から両親いなくて、孤児院で育ったんですよ。中学校にもいかずに、その日暮らしで会った人に泊めて貰ったりしてなんとか生きてきたんで、居場所ない子供の気持ちが痛いくらいわかる。
今はお世話になってる人のもとでスミ師(入れ墨師)やってるんですけど、将来は孤児院の院長になりたい。オレ子供が大好きなんです。最高の孤児院建てたら、子供を抱く母子像の入れ墨入れたいですね。オレはもう1回すでに死んだような人間だから、あとは子供のためになることに尽くしたいっす」
取材班にそう答える小川被告の横では、家出中と見られる少女が発泡酒の缶にストローをさし、「ハウル~」と甘えた声を出していた。
しかし、語られた壮大な夢と彼の実態はかけ離れていたようだ。警視庁少年育成課によると、小川容疑者は少女が18歳未満とわかっていながら、20回前後みだらな行為に至ったという。