サッカー部の複数の男子部員が飲酒していたことが報じられた千葉県の船橋市立船橋高校だが、別の部活動でも不祥事が起きていたことが本誌・週刊ポストの取材でわかった。サッカー部の飲酒問題については、11月12日に行なわれた全国高校サッカー選手権の県大会決勝より前に発覚していたものの、同校は市教育委員会や県サッカー協会などに報告した上で大会は辞退せず、当該部員たちをメンバーから外して決勝戦に出場。決勝戦で敗退した後の11月14日になって部員による飲酒が報じられた。そして、もうひとつの不祥事についても、市立船橋高校は伏せたままで大会に臨もうとしている。問題はそうした学校の体質にあるのではないか。
「市船(いちふな)」の通称で知られる市立船橋高校は今年、多くの話題を振りまいてきた。マーチングの名門として知られる吹奏楽部の実話を基に、人気の若手俳優・神尾楓珠に佐藤浩市、尾野真千子らが出演した映画が全国公開された。さらに夏には、野球部が15年ぶりの甲子園出場を果たし、サッカー部は全国高校サッカー選手権の県大会で決勝まで駒を進めていた。
なかでも映画化によって全国的に注目を集めた吹奏楽部は、11月20日に開催される全日本マーチングコンテストに向けて猛特訓に励んでいた。そんななかで、事件が起きていたのだ。同校関係者はこう語る。
「サッカー部の飲酒が発覚する前に、実は吹奏楽部で大問題が発生していたのです。今年9月、全国大会に向けた吹奏楽部の合宿が館山市内で行なわれましたが、そこである男子部員による盗撮が発覚したのです。被害に遭ったのは8人の女子部員で、シャワールームに設置されたスマホに気付き、盗撮されていたことがわかった。すでにいくつかの動画が撮られていたが、ネットなどでの拡散は防げたようです。
とはいえ、盗撮は犯罪行為であり、8人もの女子生徒が被害に遭っている。本来であれば加害生徒へのしかるべき指導や女子生徒の心理的ケアはもちろん、警察への被害届の提出なども考えなければならない。しかし、吹奏楽部の顧問は学校側への報告をせずに独断で部の保護者会を開き、部員から『せっかく3年間やってきたのだから一緒に大会に出たい』という意見があるとして、黙っていなければ大会には出られなくなると内々で収める話にもっていったそうです。結果、11月20日の大会には、部員による盗撮事件はなかったことのようにして出場しようとしています」
全国大会を控えた名門の部活内で、被害を受けた女子部員が大きな声を上げにくいのは容易に想像がつく。一時は、事実上の口止めが行われていたと思える動きだったが、それでも納得ができないという保護者もいたという。船橋市関係者が語る。