11月9日の午前7時過ぎ、4人の容疑者が広島県警に逮捕された。彼らは本誌『女性セブン』が昨年9月に報じた投資トラブルの主要メンバーで、40億円にものぼる“出資金”を集めていた。
逮捕されたのは、無職の武田将之容疑者(39才)、税理士の安土義和容疑者(74才)ら。逮捕容疑は、容疑者らが出資金の元本を保証して配当金を支払うと約束し、広島県内の50~60代の5人から計6億7000万円を預かったというもの。広島県警は、容疑者らが2014年9月から今年8月にかけ、20都府県の約240人から計40億円を集めた可能性もあるとみている。綾瀬はるかの名前が広告塔として使われたこの事件。彼らはどんな手口で巨額の出資金を集めたのか。【前後編の後編。前編から読む】
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仲介役として資産家から多額の“投資資金”を集めていたとみられているのが、安土容疑者だ。そして、安土容疑者にすすめられてお金を預けたひとりが、広島に住む綾瀬はるかの母親だった。綾瀬の個人事務所の代表を務める母親は、安土容疑者を信頼して「娘の将来のため」という思いで、事務所の資金から約1億円を拠出した。それが2020年春頃のことだ。
その後、昨年の5月に、毎月支払われていた元本の返金が滞り始める。出資者らは返金を求めたが、容疑者らは対応しなかった。解約の求めにも応じず、その結果トラブルが表面化した。綾瀬が事態を把握したのもその頃だったという。
「綾瀬さんは以前から安土容疑者の息子のAさんに、顧問税理士としてサポートしてもらっています。あるとき、Aさんが綾瀬さんの個人事務所のお金の動きに気づいて確認したことで、発覚。Aさんは“綾瀬さんはお金に困っているわけでもない。財産はぼくがしっかり守りますから、投資はやめましょう”と提案した。そしてAさんが綾瀬さんのお母さんが出資した分を買い取り、肩代わりする形で清算しました。それが昨年の夏前だったと聞いています」(綾瀬の知人)
綾瀬にとってはこれで問題解決──のはずが、思わぬ形で彼女の名前が独り歩きしていた。
一方で、ほかの出資者は返金されず、解約もできない状況が続いていた。次第に彼らの怒りの矛先は安土義和容疑者(74才)の“集金スキーム”に向き始めた。
「安土容疑者の仲介で億単位の大金を預けたご夫婦がいるのですが、そのふたりは2020年夏頃に安土容疑者から招かれた会合で“投資話”を信じてしまったんです。というのも、その会の場に綾瀬さんもいたからです。国民的女優の彼女の前でされた投資話だから、疑いようがなかったと言っていました。会の最後には、安土容疑者のすすめで綾瀬さんと写真も撮ったそうです」(被害者)
その後この夫婦も返金が滞り、現在、容疑者らを相手に返還訴訟を予定している。裁判には、会合で撮影した綾瀬との写真を安土容疑者の“集金手口”の証拠資料として提出するという。ほかにも、安土容疑者から「お金を出してくれたら、綾瀬はるかと2人きりでの食事をセッティングするから」と持ち掛けられた人もいた。
捜査関係者によれば、お金を預けたという人に話を聞くと、投資話を信じた理由として「綾瀬はるか」の名前を挙げる人は少なくないという。安土容疑者は綾瀬を利用しつくす算段だったようだ。
「出資者だけでなく、武田容疑者らにも綾瀬さんを紹介し、写真を撮っていた。そのうち一人の容疑者はその写真を大事に自宅に飾り、“おれは綾瀬はるかと結婚する”と豪語していたこともあった」(全国紙社会部記者)