芸能

オリジナル作品が好評の今期ドラマ 大人気『silent』は“聖地巡礼”も大盛り上がり

フットサル場で『Silent』の撮影に臨む、鈴鹿央士(左)と川口

フットサル場で『silent』の撮影に臨む、川口春奈ら

「プレゼントを使い回された気持ち。好きな人にあげたプレゼントを、包み直して他人に渡された感じ」──耳の不自由な奈々(夏帆・31才)は手話で紬(川口春奈・27才)にそう訴えた。

 奈々は、同じく聴覚障害を抱える年下の想(目黒連・25才)に思いを寄せ、想に手話を教えた。そして、「音のない世界は、悲しい世界じゃないんだ」と手話を通じて伝えてきた。

 それなのに、突然、想の前に現れた紬が、想から手話の手ほどきを受け、どんどん上達していく。奈々は、自分が想に思いを込めて“プレゼント”した手話、そして想本人までも紬に奪われるのではないかと、焦燥感にかられ──。

 今期のドラマの中でも特に話題を集めている、最も“静かな”作品『silent』(フジテレビ系)の第6話のワンシーンだ。

 高校時代は恋人同士だった紬と想の関係は、卒業後に想からの連絡が絶たれることで終わっていた。その8年後。再会すると、想は聴覚を失っていた。

 第1話から第4話の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)はおおむね7%以下と低水準。これは一昔前であれば、「打ち切り寸前」「大すべり」などと評される数字だが、一方で放送から1週間の見逃し配信(配信数は、ビデオリサーチ調査による、TVer・FOD・GYAO!の合計値)は、第1話でいきなり531万再生とフジテレビ全番組での歴代最高を記録し、その後も数字を更新し続けている。

『silent』のように、視聴率だけに注目していては、うっかり見落としてしまうヒット作が豊作なのが、この秋ドラマの特徴だ。

 面白い=高視聴率とは言えなくなったいま、注目されているのが、「TVer」など見逃し配信サービスでの再生回数だといえる。

 今期の人気ドラマには、ある共通点があると話すのは、連続ドラマを独自の視点で分析するドラマウオッチャーのカトリーヌあやこさん。

「今クールには、新しい風が吹いています。まずは、小説や漫画を原作としないオリジナル作品が豊富なこと。展開が読めず、どうなるんだろうと想像する楽しみがある作品が話題を集めています。

 また、意外性や新鮮味のある作品も多い。たとえば、『アトムの童』では日曜21時の悪役で定番だった香川照之さん(56才)が降板し、オダギリジョーさん(46才)になったり、『ザ・トラベルナース』は医療モノでは珍しい男性看護師のバディが主人公になるなど、これまでにはない新しさがある」

関連キーワード

関連記事

トピックス

『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン