深夜0時から24時間ぶっ通しで開催される祭り「酉の市」は、不景気を吹き飛ばすパワーに充ちている。毎年足を運び、縁起物の熊手に願いを託す人々に今の実感を聞いた。
縁起熊手の入手には価格交渉がお約束
11月4日。浅草・鷲神社の「酉の市」に集まる人たちの目的は、幸運や金運を掻き集めるとされる飾り熊手だ。毎年新品へ買い替えるしきたりに習い、人々は馴染みの熊手商へ足を運ぶ。熊手に値札はなく、購入時は価格交渉が必須。ただし値引きに成功しても、最初に提示された金額のまま支払い、値引き分は店へのご祝儀とするのが粋だとか。そんなやりとりを楽しむ客の顔ぶれは職業も年齢も様々ながら、誰もが強く願うは、やはり「商売繁盛」!
熊手の製造販売は今が踏ん張りどころ
熊手商の商売日は11月の酉の日のみ。限られた時間とスペースで1年分の儲けを得なくてはならない。どの店も装飾部材の値上がりや後継者不足に悩むが、支えは縁を大切に毎年購入してくれる顧客たちだ。